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2012年04月23日

【株式市場を検証】重要イベント控えて様子見継続、個別物色の展開

【日経平均株価、TOPIXともに3営業日続落】

■東証1部市場の売買代金は2営業日連続で1兆円を下回る

 23日は下落した。日経平均株価は前日比19円19銭(0.20%)安の9542円17銭、TOPIXは前日比2.40ポイント(0.30%)安の809.54となり、いずれも3営業日続落した。重要イベントを控えて様子見ムードを継続し、個別物色の展開だった。

 日経平均株価の日中値幅は122円29銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で9286億円となり、前日の9686億円に比べて減少し2営業日連続で1兆円を下回った。

 前週末23日の米国株式市場は高安まちまちだった。ダウ工業株30種平均株価は前日比65ドル16セント(0.50%)高の1万3029ドル26セントと3営業日ぶりに反発した。独4月IFO企業景況感指数が109.9となり3月の109.8に比べて上昇し市場予想も上回ったことや、米マイクロソフト、米GE、米マクドナルドなどの1〜3月期決算が市場予想を上回ったことを好感した。ただし重要イベントを控えているため、終盤はやや伸び悩んだ。S&P500株価指数は前日比0.12%高と3営業日ぶりに反発、ナスダック総合株価指数は前日比0.24%安と3営業日続落した。

 こうした流れを受けて日経平均株価は前日比37円84銭高と買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き340万株の買い越し観測だった。前週末の海外市場で米国株が上昇したことやユーロ・円相場がやや円安方向に傾いたことを好感した。

 寄り付き後の日経平均株価は前日比81円91銭高の9643円27銭まで上昇する場面があった。しかし積極的な買いは続かず、その後は株価指数先物取引が主導する形で急速に上昇幅を縮小する展開となり、午前の中盤には前日比マイナス圏に転じた。この日の安値となる前日比40円38銭安の9520円98銭まで下落する場面もあった。為替が朝方に比べて円高方向に傾いたことや、中国株式市場が下落してスタートしたことが弱材料視された。

 午前の取引終了後に金融大手HSBCが発表した中国4月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値は49.1となった。6カ月連続で50を下回ったが、3月確定値の48.3に比べて改善した。

 午後に入ると、日経平均株価は前日比プラス圏に切り返す場面もあり、下げ渋る展開となった。中国4月製造業PMIの改善に加えて、為替がやや落ち着いたことが支援材料となった。しかし戻りも鈍く、結局この日の安値圏で取引を終了した。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄540(全体の32%)、値下がり銘柄984(全体の59%)だった。セクター別には、水産・農林、食品、医薬品などディフェンシブ系が堅調だった。一方で、海運、空運、電気・ガスの下落が目立った。また自動車、小売、銀行、保険、不動産なども軟調だった。全体として様子見ムードの強い中、太陽光発電システムなどの材料系銘柄が物色された。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位の明和産業(8103)、5位のグリー(3632)、6位のディー・エヌ・エー(2432)、16位のヤクルト(2267)、20位のシャープ(6753)の大幅上昇が目立った。また8位のホンダ(7267)、10位のキヤノン(7751)、11位のJFEホールディングス(5411)、13位のコマツ(6301)、18位の武田薬品(4502)が上昇した。

 一方で、7位のファーストリテイリング(9983)、14位の三井化学(4183)の大幅下落が目立った。また2位の三菱UFJFG(8306)、3位の日立製作所(6501)、4位のトヨタ自動車(7203)、9位のファナック(6954)、12位の日産自動車(7201)、15位の三井住友FG(8316)、17位のソニー(6758)、19位のみずほFG(8411)が下落した。

 22日の仏大統領選ではオランド候補が1位となった。サルコジ現大統領の苦戦が鮮明になり、5月6日の決選投票に向けての不透明感を強めた。

 さらに重要イベントとして、24日〜25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、27日の日銀金融政策決定会合、そして3月期の企業決算発表の本格化を控えている。様子見ムードはやむを得ないだろう。

 動きづらい状況に変化はなく、引き続き個別物色の展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:53 | 市況・概況