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2012年04月26日

【株式市場を検証】日銀会合通過後の材料出尽くし感や様子見ムード強い

【日経平均株価、TOPIXともに小幅続伸】

■東証1部市場の売買代金は5営業日ぶりに1兆円を上回る

 26日は小幅に上昇した。日経平均株価は前日比82銭(0.01%)高の9561円83銭、TOPIXは前日比0.61ポイント(0.08%)高の810.10となり、いずれも小幅に続伸した。様子見ムードが強く前日比マイナス圏に転じる場面もあったが、前日の欧米株高を好感する形で、取引終了にかけて僅かながらもプラス圏に転じた。

 日経平均株価の日中値幅は99円94銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆762億円となり、前日の9915億円に比べて増加し、5営業日ぶりに1兆円を上回った。

 前日25日の米国株式市場は上昇した。24日取引終了後に発表した米アップルの決算や、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の会見を好感した。米3月耐久財受注の悪化に対する反応は限定的だった。

 ダウ工業株30種平均株価は前日比89ドル16セント(0.69%)高の1万3090ドル72セントと続伸した。

 S&P500株価指数は前日比1.36%高と大幅続伸、ナスダック総合株価指数は前日比2.30%高と6営業日ぶり大幅反発した。米3月耐久財受注は前月比4.2%減少となり、2月改定値の同1.9%増加(同2.2%増加から下方修正)に比べて悪化して市場予想も下回った。

 米FOMC(連邦公開市場委員会)では政策金利の現状維持を決定し、声明文では異例な低金利を少なくとも14年終盤まで維持することも明記した。FRBメンバー予想では1月時点に比べて14年以降の利上げ予想が減少した。ゼロ金利解除時期が前倒しの形となり、量的緩和策第3弾(QE3)観測がやや後退した。ただし記者会見でバーナンキ米FRB議長は、必要に応じて追加措置を講じる用意があると述べ、QE3の余地を残した。

 こうした流れを受けて日経平均株価は前日比52円15銭高と買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き290万株の買い越し観測だった。前日の米国株の大幅上昇が支援材料だった。

 寄り付きの買い一巡後は、日経平均株価は9600円近辺でモミ合う展開だった。小沢民主党元代表の無罪判決が出た直後にこの日の高値を付ける場面もあったが、その後は一転して上昇幅を縮小する展開となった。

 午後に入ると一段と買い手控えムードを強め、日経平均株価は前日比マイナス圏に転じた。小沢民主党元代表の無罪判決で政局不安に対する警戒感が強まったことや、為替が円高方向に傾いたことも弱材料視された。ただし取引終了にかけて僅かながらも前日比プラス圏に転じた。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄875(全体の52%)、値下がり銘柄613(全体の37%)だった。セクター別には方向感に欠ける展開だったが、鉱業、ガラス・土石製品、金属製品、陸運、海運、空運、情報・通信などが上昇した。一方で石油・石炭製品、鉄鋼、非鉄金属、機械、電機が下落した。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、10位のイトーキ(7972)、21位のダイハツ工業(7262)、22位のネットワンシステムズ(7518)の大幅上昇が目立った。また2位の日立製作所(6501)、4位の武田薬品(4502)、6位の三菱UFJFG(8306)、7位の三井住友FG(8316)、8位のトヨタ自動車(7203)、11位のソニー(6758)、12位のグリー(3632)、13位のディー・エヌ・エー(2432)、14位のホンダ(7267)、19位のソフトバンク(9984)が上昇した。

 一方では、1位のファナック(6954)、16位の明和産業(8103)、17位のJFEホールディングス(5411)、18位のイビデン(4062)、25位の川崎重工業(7012)、26位の日立建機(6305)の大幅下落が目立った。また3位のファーストリテイリング(9983)、5位のキヤノン(7751)、9位の野村ホールディングス(8604)、15位のコマツ(6301)、20位の日産自動車(7201)が下落した。

 ファナック(6954)ファーストリテイリング(9983)の下落が日経平均株価を押し下げた形となったが、東証1部市場の値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回ったことなども考慮すれば、堅調な展開だったと言えるかもしれない。

 ただし、ゴールデン・ウイーク(GW)を控えて、様子見ムードが強い状況に変化はないだろう。明日は注目の日銀金融政策決定会合だが、通過した後の材料出尽くし感や失望感を警戒している可能性もありそうだ。

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