
12年3月期の連結業績は3社とも減収となり、営業利益、経常利益、純利益は、いずれも大幅な赤字に転落した。
定期船(コンテナ船)、不定期専用船(自動車船、ドライバルク船、油送船、LNG船)の運賃が概ね低迷したことが主因である。米国を中心とする世界的な景気回復遅れ、価格高止まりを背景とする原油・鉄鉱石・石炭などの数量変動、さらに東日本大震災やタイ洪水という自然災害の影響などで、荷動きが低迷したうえに、新造船の大量竣工に伴って船腹過剰感が強まった。
コンテナ船では、特にアジア・欧州航路(往航)の運賃が大幅に下落した。ドライバルク船の市況は、11年夏以降に上昇に転じる場面もあったが、12年初から再び下落に転じた。
為替の急激な円高進行もマイナス要因となり、原油高に伴う燃料価格の上昇がコストアップ要因となった。純利益段階では、繰延税金資産取崩、投資有価証券評価損、海外子会社外貨建て借入為替評価損なども減益要因だった。
13年3月期については、3社とも増収、そして営業利益、経常利益、純利益の黒字化を見込んでいる。営業利益で見れば、日本郵船が前期比741億円改善して500億円、商船三井が同404億円改善して160億円、川崎汽船が同565億円改善して160億円の見通しとなっている。
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・(3)シェールガスの開発・生産ブームはプラス要因
【海運関連銘柄診断】
・日本郵船は市場全体の地合い悪化の影響受け調整局面
・川崎汽船は収益改善見通しを評価すれば下値は限定的
・商船三井は上振れ期待で見直し買いが優勢になる余地も
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