【日経平均株価、TOPIXともに反発】
■東証1部市場の売買代金は3営業日連続で1兆円を上回る
17日は上昇した。日経平均株価は前日比75円42銭(0.86%)高の8876円59銭となり3営業日ぶりに反発した。一方のTOPIXは前日比8.28ポイント(1.12%)高の747.16となり7営業日ぶりに反発した。ギリシャ問題に対する警戒感が強い状況に変化はないが、自律反発的な買いが優勢になった。
日経平均株価の日中値幅は119円37銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆1711億円となり、前日の1兆1862億円に比べて減少したが3営業日連続で1兆円を上回った。
前日16日の米国株式市場は下落した。ダウ工業株30種平均株価は前日比33ドル45セント(0.26%)安の1万2598ドル55セントと4営業日続落した。
ギリシャ再選挙が6月17日に決定したことで一旦は落ち着きを取り戻し、メルケル独首相がギリシャのユーロ圏離脱を阻止する姿勢を示したことが好感され、米4月鉱工業生産や設備稼働率が市場予想を上回ったこともあって買いが優勢だった。
前日比90ドル63セント高まで上昇する場面もあった。しかし上値は重く、ECB(欧州中央銀行)が資本不足に陥っている一部のギリシャの銀行に対する資金供給を停止したことなどを受けて、徐々に売りが優勢になった。
S&P500株価指数は前日比0.44%安と4営業日続落、ナスダック総合株価指数は前日比0.68%安と3営業日続落した。
この流れを受けて日経平均株価は前日比11円70銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き10万株の売り越し観測だった。前日の欧米株式市場の下落が弱材料視された。
寄り付き後の日経平均株価は方向感に乏しく、前日終値を挟んでモミ合う展開となった。寄り付き前に発表された日本の1〜3月期実質GDPは、前四半期比でプラス1.0%成長、年率換算でプラス4.1%成長となり、いずれも市場予想よりも強い内容だったが、株式市場、外国為替市場ともに反応は限定的だった。
午後の前半も、日経平均株価は前日終値付近でモミ合う展開だったが、午後の中盤になると、株価指数先物取引が主導する形で午前の高値を突破し、上昇幅を広げる展開となった。アジアの株式市場が総じて上昇したことが好感された。結局、日経平均株価、TOPIXともに、この日の高値圏で取引を終了した。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄1173(全体の70%)、値下がり銘柄419(全体の25%)だった。セクター別には、鉄鋼、非鉄金属、海運、証券の上昇が目立った。また石油・石炭製品、ゴム製品、ガラス・土石製品、機械、電機、自動車、総合商社、銀行、その他金融、不動産等も上昇した。一方で医薬品の下落が目立った。また水産・農林、食品、陸運、電力・ガスなどが下落した。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、4位の東芝(6502)、9位の野村ホールディングス(8604)、13位のグリー(3632)、19位のシャープ(6753)、24位のディー・エヌ・エー(2432)、26位のTDK(6762)が大幅上昇した。また1位のトヨタ自動車(7203)、2位の三菱UFJFG(8306)、3位の日立製作所(6501)、5位の三井住友FG(8316)、6位の三井物産(8031)、7位のコマツ(6301)、8位のソニー(6758)、10位の日産自動車(7201)、11位の三菱商事(8058)、12位のホンダ(7267)、14位のみずほFG(8411)、16位のキヤノン(7751)、17位のファナック(6954)、18位のパナソニック(6752)も上昇した。
一方で、15位のファーストリテイリング(9983)、20位の日本たばこ産業(JT)(2914)、21位のソフトバンク(9984)、23位のNTTドコモ(9437)が下落した。
今日は自律反発的な買いが優勢になったが、ギリシャ問題に対して身構える状況に変化はない。
ただし中小型株や、主力銘柄の中でも決算発表後に失望感と称して先行して売り込まれた銘柄の動きには、変化の兆しが見え始めており、こうした動きが活発になれば、全体としても一旦は底入れ感を強める可能性があるだろう。
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2012年05月17日
【株式市場を検証】自律反発的な買いが優勢、先行して売られた銘柄や中小型株の動きに変化の兆しも継続
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:00
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