【日経平均株価、TOPIXともに大幅反落】
■中小型株の動きには引き続き注目
18日は大幅下落した。日経平均株価は前日比265円28銭(2.99%)安の8611円31銭となり大幅反落した。TOPIXは前日比21.62ポイント(2.89%)安の725.54となり大幅反落した。前日の欧米株安と円高進行を受けて、ギリシャ問題に対する警戒感を強め、リスク回避の動きが加速した。
終値ベースで見ると、日経平均株価は1月18日(8550円58銭)以来の安値水準、TOPIXは1月16日(725.24)以来の安値水準となった。
日経平均株価の日中値幅は147円38銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆2187億円となり、前日の1兆1711億円に比べて増加し4営業日連続で1兆円を上回った。
前日17日の米国株式市場は大幅下落した。ダウ工業株30種平均株価は前日比156ドル06セント(1.24%)安の1万2442ドル49セントと5営業日続落した。ギリシャのユーロ離脱懸念、スペインでの銀行預金流出報道に加えて、米主要経済指標の悪化で景気回復遅れに対する警戒感が強まり、終盤にかけて下落幅を拡大した。S&P500株価指数は前日比1.51%安と5営業日続落、ナスダック総合株価指数は前日比2.10%安と4営業日続落した。
この流れを受けて日経平均株価は前日比149円01銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き240万株の売り越し観測だった。前日の欧米株安と円高進行が弱材料視された。
寄り付き後の日経平均株価は8700円台を割り込んで一段安の展開となった。ギリシャのユーロ離脱懸念、スペインなどへの預金流出波及懸念、前日の欧米株安と円高進行、そしてアジアの主要株式市場の下落も加わり、売りが膨らんだ。
午後に入っても日経平均株価はこの日の安値圏でモミ合う展開だった。そして午後の中盤以降になると、午前の安値を割り込み、さらに8600円台を割り込む場面もあった。結局、日経平均株価、TOPIXともに、この日の安値圏で取引を終了した。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄186(全体の11%)、値下がり銘柄1443(全体の86%)だった。セクター別には全業種が下落し、中でもパルプ・紙、ガラス・土石製品、鉄鋼、非鉄金属、機械、電機、自動車、精密、卸売、銀行、証券、保険、その他金融、不動産、海運が大幅下落した。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、上位30銘柄すべてが下落した。5位のグリー(3632)、6位のコマツ(6301)、7位のソニー(6758)、11位の野村ホールディングス(8604)、19位の三菱地所(8802)、21位の丸紅(8002)、25位の日立建機(6305)、27位のTDK(6762)、30位のニコン(7731)は前日比5%を超える下落率だった。
また1位のトヨタ自動車(7203)、2位の三菱UFJFG(8306)、3位の日立製作所(6501)、4位の三井住友FG(8316)、8位のホンダ(7267)、9位の三菱商事(8058)、10位の日産自動車(7201)、12位のディー・エヌ・エー(2432)、13位のファナック(6954)、14位のキヤノン(7751)、15位のファーストリテイリング(9983)、16位のソフトバンク(9984)、17位の東芝(6502)、18位の三井物産(8031)、20位のパナソニック(6752)も下落した。
前日の海外市場では、欧米株式市場が大幅下落し、為替は対ドル、対ユーロともに円高が急激に進行した。ギリシャ問題に対して身構える状況だけに、週末要因もあって、リスク回避の動きが加速した。ややパニック的な様相も呈した。
ギリシャ問題に関しては、ユーロ圏主要国やECB(欧州中央銀行)の対応が打ち出されなければ、6月17日の再選挙まで警戒感を抱え続けることになる。現時点では悪材料を織り込んだ状況とは言えないようだ。
市場全体の地合いが冷え込み、主力大型株は手掛けづらい状況だが、中小型株の中には、スタートトゥデイ(3092)のように4営業日続伸して反発に転じている銘柄もあるだけに、こうした動きには注目しておきたい。
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!




2012年05月18日