【日経平均株価は反発、TOPIXは続落して年初来安値更新】
■中小型株の動きには引き続き注目
21日の主要株価指数は高安まちまちだった。日経平均株価は前日比22円58銭(0.26%)高の8633円89銭となり小幅に反発した。TOPIXは前日比0.39ポイント(0.05%)安の725.15となり小幅に続落した。自律反発狙いの買いが優勢になる場面もあったが、ギリシャ問題に対する警戒感が強く方向感に欠ける展開だった。
終値ベースで見ると、TOPIXは年初来安値を更新し、11年12月29日(722.12)以来の安値水準となった。
日経平均株価の日中値幅は67円58銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で8656円となり、前日の1兆2187億円に比べて大幅減少し5営業日ぶりに1兆円を下回った。
前週末18日の米国株式市場は下落した。ダウ工業株30種平均株価は前日比73ドル11セント(0.59%)安の1万2369ドル38セントと6営業日続落した。序盤は買い戻し優勢だったが、ギリシャのユーロ離脱懸念に加えて、新規上場の米フェイスブックの株価が伸び悩んだことも失望感につながった。S&P500株価指数は前日比0.74%安と6営業日続落、ナスダック総合株価指数は前日比1.24%安と5営業日続落した。
この流れを受けて日経平均株価は前日比6円61銭高と小幅に買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き440万株の売り越し観測だった。
寄り付き後の日経平均株価は8600円台でモミ合う展開となった。序盤は自律反発狙いの買いが優勢だったが、積極的な買いは続かず、その後は小幅に前日比マイナス圏に転じる場面もあり、概ねモミ合う展開となった。
午後に入っても日経平均株価は8600円台でモミ合う展開が続いた。為替は円高が一服して小動きだったが、株式市場の反応は限定的だった。終盤になると上昇幅をやや縮小して取引を終了した。TOPIXは終盤に再び前日比マイナス圏に転じ、年初来安値を更新して取引を終了した。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄958(全体の57%)、値下がり銘柄587(全体の35%)だった。全体として方向感に欠ける展開だったが、セクター別には水産・農林、建設、金属製品、小売、保険、不動産、電力・ガスなどが上昇した。一方でゴム製品、鉄鋼、電機、自動車、銀行、証券、空運などが軟調だった。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、4位のグリー(3632)、6位のファナック(6954)、7位のディー・エヌ・エー(2432)、8位のソフトバンク(9984)、12位のソニー(6758)、13位のファーストリテイリング(9983)、18位の日本たばこ産業(2914)、19位のキヤノン(7751)が上昇した。
一方で、1位の日立製作所(6501)、2位の三菱UFJFG(8306)、3位のトヨタ自動車(7203)、5位の野村ホールディングス(8604)、9位の三井住友FG(8316)、10位のコマツ(6301)、11位のみずほFG(8411)、14位の日産自動車(7201)、15位の三菱商事(8058)、16位のホンダ(7267)、17位の東芝(6502)、20位のパナソニック(6752)が下落した。
日経平均株価は小幅に反発したとはいえ、ファナック(6954)、ファーストリテイリング(9983)、ソフトバンク(9984)の上昇が指数を押し上げた形である。
また、東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄数が50%を上回ったとはいえ、東証1部市場の売買代金は低水準であり、TOPIXは年初来安値を更新した。実態として自律反発には程遠い展開だったと言えるだろう。
ギリシャ問題に身構える状況に変化はなく、主力大型株は手掛けづらいが、中小型株の動きには引き続き注目しておきたい。
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2012年05月21日