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2012年05月23日

【株式市場を検証】ギリシャ問題や円高でリスク回避の売りが加速

【日経平均株価、TOPIXともに大幅下落】

■今晩のEU首脳会議と海外市場の反応待ち

 23日は大幅下落した。日経平均株価は前日比172円69銭(1.98%)安の8556円60銭となり3営業日ぶりに大幅反落した。一方のTOPIXは前日比11.76ポイント(1.60%)安の721.57となり大幅反落した。ギリシャ問題への警戒感が強いうえに、日銀金融政策決定会合で追加緩和が見送られ、為替が円高方向に傾いたためリスク回避の売りが加速した。

 終値ベースで見ると、日経平均株価は1月18日(8550円58銭)以来の安値水準、TOPIXは11年12月28日(721.45)以来の安値水準となった。

 日経平均株価の日中値幅は176円45銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆920億円となり、前日の9174億円に比べて増加し3営業日ぶりに1兆円を上回った。

 前日22日の米国株式市場は高安まちまちだった。ダウ工業株30種平均株価は前日比1ドル67セント(0.01%)安の1万2502ドル81セントと小幅に反落した。米4月中古住宅販売件数を好感して買いが優勢だったが、ギリシャ問題に対する警戒感などで上値も限定的となり、終盤にかけて値を崩した。S&P500株価指数は前日比0.05%高と小幅に続伸、ナスダック総合株価指数は前日比0.29%安と小幅に反落した。

 この流れを受けて日経平均株価は前日比14円15銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き1360万株の買い越し観測だった。4月の貿易収支は5203億円の赤字だったが反応は限定的だった。

 寄り付き後の日経平均株価は、株価指数先物取引で大口の売りが入ったことを受けて急速に下落幅を広げた。その後は8600円台前半でモミ合う展開となった。午前の終盤には前日比112円50銭安の8616円79銭まで下落する場面があった。アジアの主要株式市場が軟調にスタートしたことも弱材料視された。

 午後に入ると日経平均株価は8600円台を割り込み、株価指数先物取引が主導する形で一段安の展開となった。日銀金融政策決定会合で追加緩和が見送られて為替が円高方向に傾いたことを嫌気した。終盤には前日比190円06銭安の8538円69銭まで下落する場面があった。結局、日経平均株価、TOPIXともにこの日の安値圏で取引を終了した。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄244(全体の15%)、値下がり銘柄1366(全体の81%)だった。全面安の展開の中で、セクター別には繊維、パルプ・紙、石油・石炭製品、ガラス・土石製品、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、機械、電機、精密、証券、保険、その他金融、不動産などの下落が目立った。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、3位の日本たばこ産業(2914)、17位のグリー(3632)、24位のマツダ(7261)、25位のNTT(9432)、30位のKDDI(9433)が上昇した。

 一方で、4位のコマツ(6301)、13位の野村ホールディングス(8604)、14位のTDK(6762)、20位のパナソニック(6752)、23位のディー・エヌ・エー(2432)の下落が目立った。

 また1位のトヨタ自動車(7203)、2位の三菱UFJFG(8306)、5位のキヤノン(7751)、6位のシャープ(6753)、7位の日立製作所(6501)、8位の三菱商事(8058)、9位の日産自動車(7201)、10位の三井住友FG(8316)、11位のみずほFG(8411)、12位のファナック(6954)、15位のファーストリテイリング(9983)、16位のホンダ(7267)、18位のソニー(6758)、19位の商船三井(9104)、21位のソフトバンク(9984)も下落した。

 ギリシャ問題に身構える状況に変化はなく、為替が円高方向に傾いたこともあり、リスク回避の売りが加速した形である。内需関連の一角が堅調だったとはいえ、全体として下値での買い意欲は乏しく、個別物色と呼べる展開もなかった。

 今晩のEU首脳会議と、その後の海外市場の反応待ちのようだ。

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