【日経平均株価、TOPIXともに小幅反発】
■東証1部市場の売買代金は2営業日連続で1兆円を上回る
24日は小幅に上昇した。日経平均株価は前日比6円78銭(0.08%)高の8556円60銭となり小幅に反発した。TOPIXは前日比0.68ポイント(0.09%)高の722.25となり小幅に反発した。ギリシャ問題への警戒感が強い状況に変化はないが、値ごろ感からの下値買いが入った。
日経平均株価の日中値幅は101円24銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆155億円となり、前日の1兆920億円に比べて減少したが2営業日連続で1兆円を上回った。
前日23日の米国株式市場は乱高下し、主要株価指数の終値は高安まちまちだった。ダウ工業株30種平均株価は前日比6ドル66セント(0.05%)安の1万2496ドル15セントと小幅に続落した。ギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感で売りが先行し、前日比191ドル25セント安まで下落する場面があった。しかし午後になるとユーロ圏で有効な対策が打たれるとの思惑で買い戻しが優勢となり、終盤にかけて急速に値を戻した。S&P500株価指数は前日比0.17%高と小幅に3営業日続伸、ナスダック総合株価指数は前日比0.39%高と反発した。
この流れを受けて日経平均株価は前日比18円61銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き310万株の売り越し観測だった。
寄り付き後の日経平均株価は前日比プラス圏に転じて8600円に接近する場面もあったが、概ね前日終値近辺の8500円台後半でモミ合う展開となった。午前の終盤には株価指数先物取引に大口の売りが出て下落幅を広げる場面があった。
午後に入ると日経平均株価は下落幅を広げる展開となった。金融大手HSBCが発表した中国5月PMIは48.7となり7カ月連続で50を下回った。外国為替市場の反応は限定的だったが、中国・上海株式市場がやや軟調になったことが弱材料視された。午後の中盤には日経平均株価が8500円台を割り込む場面もあった。しかし終盤にかけて株価指数先物取引が主導する形で急速に値を戻し前日比プラス圏に転じた。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄814(全体の49%)、値下がり銘柄682(全体の41%)だった。セクター別には不動産と海運の上昇が目立った。また鉱業、建設、鉄鋼、金属製品、銀行、証券、保険、その他金融などが上昇した。一方で化学、医薬品、自動車、精密などが軟調だった。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、3位のシャープ(6753)、19位のグリー(3632)、22位の日本橋梁(5912)の大幅上昇が目立った。
また1位の三菱UFJFG(8306)、5位のファナック(6954)、9位のパナソニック(6752)、10位の三井住友FG(8316)、11位のファーストリテイリング(9983)、12位の野村ホールディングス(8604)、13位のソニー(6758)、14位のみずほFG(8411)、15位のコマツ(6301)、17位のソフトバンク(9984)、18位の日本たばこ産業(2914)、20位のディー・エヌ・エー(2432)が上昇した。
一方で2位のキヤノン(7751)、6位の日立製作所(6501)、7位の日産自動車(7201)、8位のホンダ(7267)、16位のTDK(6762)が下落した。29位のアドバンテスト(6857)の下落も目立った。4位のトヨタ自動車(7203)は前日比変わらずとなった。
ギリシャ問題や為替の円高進行に身構える状況に変化はないが、今日の展開は取引終了にかけて値ごろ感での下値買いが入った形だろう。
日本時間24日朝に出されたEU首脳会議の声明を受けて、今晩の海外市場がどのように反応するかもポイントになるが、リスク回避の売りもやや一服状況となっただけに、日経平均株価8500円が下値メドとして意識される形なれば、一旦は自律反発の展開となる可能性もあるだろう。
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2012年05月24日