【日経平均株価、TOPIXともに大幅反発】
■前週末の大幅下落の反動高程度
11日は大幅上昇した。日経平均株価は前日比165円64銭(1.96%)高の8624円90銭、TOPIXは前日比12.33ポイント(1.72%)高の730.07となり、いずれも大幅反発した。前週末8日の米株高、円高一服、そして9日のユーロ圏財務相緊急電話会議でのスペイン金融支援合意を好感した。
日経平均株価の日中値幅は71円22銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で8920億円にとどまり、前日の1兆6229億円に比べて減少し8営業日ぶりに1兆円を下回った。
前週末8日の米国株式市場は上昇した。ダウ工業株30種平均株価は前日比93ドル24セント(0.75%)高の1万2554ドル20セントと4営業日続伸した。売り優勢でスタートしたが、スペインが週末に銀行資本増強で金融支援を要請するとの報道を受け、銀行救済に対する期待感が広がり上昇に転じた。S&P500株価指数は前日比0.81%高と反発、ナスダック総合株価指数は前日比0.97%高と反発した。
この流れを受けて日経平均株価は前日比152円88銭高と買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き110万株の買い越し観測だった。
寄り付き後の日経平均株価は、上昇幅を200円以上に広げて前日比206円54銭高の8665円80銭まで上昇する場面もあったが、概ね8600円台前半でモミ合う展開だった。薄商いのうえに、中国・上海株式市場が一時的に下落に転じたこともあり、上値が重くなった。
午後に入ると、日経平均株価は午前に比べてさらに狭いレンジでモミ合う展開となり、膠着感を強めた。薄商いの中で上値を追う動きは見られなかった。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄1118(全体の67%)、値下がり銘柄455(全体の27%)だった。ほぼ全面高の展開の中で、セクター別には鉱業、石油・石炭製品、ゴム製品、ガラス・土石製品、鉄鋼、非鉄金属、機械、電機、自動車、その他金融、海運などが大幅に上昇した。一方で水産・農林、小売の2業種が下落した。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、3位のグリー(3632)、4位のシャープ(6753)、7位のパナソニック(6752)、21位のディー・エヌ・エー(2432)、24位の東京エレクトロン(8035)、26位のTDK(6762)、27位のSUMCO(3436)、29位のリコー(7752)が大幅上昇した。
また1位のキヤノン(7751)、2位のトヨタ自動車(7203)、5位の三菱UFJFG(8306)、6位の日立製作所(6501)、8位のソニー(6758)、9位の三井住友FG(8316)、10位のコマツ(6301)、11位のみずほFG(8411)、12位のファーストリテイリング(9983)、13位のファナック(6954)、14位の日産自動車(7201)、15位の三井物産(8031)、16位のホンダ(7267)、17位のソフトバンク(9984)、18位の三菱商事(8058)、20位の野村ホールディングス(8604)が上昇した。
一方で、上位30銘柄のうち下落したのは、19位のセブン&アイホールディングス(3382)と25位のNTTドコモ(9437)の2銘柄にとどまった。
前週末8日の米国株式市場が上昇し、外国為替市場では円高が一服した。そして9日には、ユーロ圏財務相による緊急電話会議で、スペインに対する最大1000億ユーロの金融支援で合意したため、スペインの銀行経営に対する不安感が後退した。
好材料が揃い日経平均株価、TOPIXともに大幅反発した。そして東証1部市場の約3分の2の銘柄が上昇した。
しかし東証1部市場の売買代金は極めて低調だった。前週末8日の大幅下落が、株価指数先物取引での仕掛け的な動きに対して過剰反応の感も強かっただけに、買い戻しに過ぎないだろう。
基本的には、週末17日のギリシャ再選挙に向けてネガティブな報道に身構える状況に変化はなく、様子見ムードの強い1週間だろう。
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2012年06月11日