【日経平均株価、TOPIXともに反発】
■東証1部市場の売買代金は8営業日連続で1兆円を下回る
20日は上昇した。日経平均株価は前日比96円44銭(1.11%)高の8752円31銭、TOPIXは前日比12.65ポイント(1.72%)高の747.34となり、いずれも反発した。前日の米株高を好感して買い優勢でスタートし、株価指数先物取引が主導する形で取引終了にかけて上昇幅を広げた。
日経平均株価の日中値幅は59円19銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で9532億円となり、前日の8136億円に比べて増加したが8営業日連続で1兆円を下回った。
前日19日の米国株式市場は上昇した。ダウ工業株30種平均株価は前日比95ドル51セント(0.75%)高の1万2837ドル33セントと反発した。19日〜20日の米FOMC(連邦公開市場委員会)での追加緩和への期待感で買いが優勢だった。米5月住宅着工件数は減少して市場予想も下回ったが、建設許可件数が大幅に増加して市場予想を上回ったことも好感した。S&P500株価指数は前日比0.98%高と4営業日続伸、ナスダック総合株価指数は前日比1.19%高と4営業日続伸した。
この流れを受けて日経平均株価は前日比83円23銭高と買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き30万株の買い越し観測だった。
寄り付きの買い一巡後は動意に乏しく、日経平均株価は概ね8700円台前半の狭いレンジでモミ合う展開となった。午前の値幅は僅か29円43銭にとどまった。
午後に入っても前半は様子見ムードが強く、日経平均株価は一段と膠着感を強める展開となった。しかし午後の中盤以降になると薄商いの中、株価指数先物取引が主導する形で上昇幅を広げた。日経平均株価、TOPIXともに、この日の高値圏で取引を終了した。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄1429(全体の85%)、値下がり銘柄175(全体の10%)だった。全業種が上昇してほぼ全面高の展開の中、セクター別には鉱業、食品、繊維、パルプ・紙、石油・石炭製品、鉄鋼、銀行、証券、保険、その他金融、不動産、空運、情報・通信、電力・ガス小売、陸運、情報・通信、サービスなどの上昇が目立った。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位のグリー(3632)、6位の日本たばこ産業(2914)、8位の野村ホールディングス(8604)、17位の住友不動産(8830)、26位の三菱地所(8802)、30位のサニックス(4651)の大幅上昇が目立った。また3位の三菱UFJFG(8306)、4位のトヨタ自動車(7203)、5位の三井住友FG(8316)、9位のホンダ(7267)、11位のソニー(6758)、12位のソフトバンク(9984)、13位の日産自動車(7201)、15位のキヤノン(7751)、16位のディー・エヌ・エー(2432)、18位の三井物産(8031)、19位のパナソニック(6752)、20位のみずほFG(8411)が上昇した。
一方で10位の三菱重工業(7011)の下落が目立った。また2位のファナック(6954)、7位のシャープ(6753)、14位のファーストリテイリング(9983)、27位のTDK(6762)が下落した。
前日19日の米株高を好感して買い優勢でスタートし、取引終了にかけて株価指数先物取引が主導する形で上昇幅を広げる展開となった。しかし午前の値幅は僅か29円43銭にとどまり、終日でも59円19銭にとどまった。全体としては動意薄で膠着感が強く、薄商いで様子見ムードの強い状況が続いた。
結果的には、今晩の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明とバーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の記者会見に対する期待感が優勢の形となったが、海外市場の動向次第という展開に大きな変化はなさそうだ。
20日〜21日のECB(欧州中央銀行)理事会(金利発表なし)、22日のフランス・ドイツ・スペイン・イタリア首脳会議、EU財務相理事会、28日〜29日のEU首脳会議と重要イベントが続くだけに、政策対応に対する期待感と、海外市場のネガティブな反応に対する警戒感が交錯する地合いだろう。
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2012年06月20日