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2012年06月22日

【株式市場を検証】米株の大幅安にもかかわらず小幅安で堅調、潮目に変化の印象

【日経平均株価、TOPIXともに反落】

■東証1部市場の売買代金は2営業日ぶりに1兆円を下回る

 22日は下落した。日経平均株価は前日比25円72銭(0.29%)安の8798円35銭、TOPIXは前日比3.04ポイント(0.40%)安の750.92となり、いずれも3営業日ぶり反落した。前日の米国株式市場が大幅下落したが、為替が円安方向に傾いたことが支援材料となり、小幅な下落にとどまった。

 日経平均株価の日中値幅は98円55銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で9589億円となり、前日の1兆870億円に比べて減少し2営業日ぶりに1兆円を下回った。

 前日21日の米国株式市場は大幅下落した。ダウ工業株30種平均株価は前日比250ドル82セント(1.96%)安の1万2573ドル57セントと大幅続落した。主要経済指標が概ね低調な内容だったことを受けて景気減速に対する警戒感が強まった。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが世界の大手金融機関17社の格付け見直しの結果を21日にも発表するとみられるとの報道も嫌気された。S&P500株価指数は前日比2.23%安と大幅続落、ナスダック総合株価指数は前日比2.44%安と6営業日ぶり大幅反落した。

 この流れを受けて日経平均株価は前日比90円57銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き150万株の買い越し観測だったが、前日の米国株式市場の大幅下落の流れを引き継いでのスタートだった。

 しかし寄り付きの売り一巡後は、日経平均株価は下げ渋る展開となった。前日の海外市場で為替が円安方向に傾いたことが支援材料となった。前半は概ね8700円台半ばでモミ合う展開だったが、中盤になると徐々に下落幅を縮小する展開となった。

 午後に入ると日経平均株価は、株価指数先物取引が主導する形で、さらに下落幅を縮小する展開となり、午後の中盤には前日比プラス圏に転じる場面があった。為替が朝方に比べてさらに円安方向に傾いたことを好感した。終値ではプラス圏を維持できなかったが、この日の高値圏で取引を終了した。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄667(全体の40%)、値下がり銘柄807(全体の48%)だった。下落業種が上昇業種を上回ったが、セクター別には水産・農林、パルプ・紙、医薬品、精密、その他製品、証券、情報・通信などが上昇した。一方で鉱業、食品、ゴム製品、鉄鋼、非鉄金属などの下落が目立った。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位のソフトバンク(9984)、4位のソニー(6758)、9位のシャープ(6753)の上昇が目立った。また3位のホンダ(7267)、11位のパナソニック(6752)、15位のNTT(9432)、20位の野村ホールディングス(8604)が上昇した。

 一方で2位の三菱UFJFG(8306)、6位の三井住友FG(8316)、7位のファナック(6954)、8位の日産自動車(7201)、12位の三菱商事(8058)、13位のディー・エヌ・エー(2432)、14位のキヤノン(7751)、16位のコマツ(6301)、17位の関西電力(9503)、19位の三井物産(8031)が下落した。

 前日21日の米国株式市場が大幅に下落し、商品市場も大幅下落した流れを考えると、週末要因も加わり、日本市場はそれ以上の大幅安となっても不思議ではないところだったが、意外にも堅調な展開となり小幅安にとどまった。

 為替が円安方向に傾いたことが支援材料とはいえ、それだけでは説明できないだろう。昨日に続いて海外市場とあまり連動しない動きとなったことを考えると、MSCIのカテゴリー変更で韓国や台湾が先進国指数入りしなかったため、日本市場に資金が向かっているとの見方もあるようだ。さらに日銀の7月会合での追加緩和に対する期待もあるだろう。

 ギリシャ問題やスペイン問題に対する警戒感、世界的な景気減速に対する警戒感などに大きな変化はないが、日本市場は底入れ感を強めており、潮目の変化も感じさせる1週間だった。

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