
映画株は、かつて10割配当会社まで出現した黄金時代に、兜町では「娯楽の王様」、「不況に強い」などと買い推奨された元祖コンテンツ株だが、足元の世界的な景気減速を懸念する全般膠着相場下、このセールストークがリバイバルしそうである。
東宝の業績修正のうち2月通期業績は、期初予想より売り上げを105億円、経常利益を75億円、純利益を43億円それぞれ引き上げ、純利益は、128億円(前期比29%増)と増益転換し、2011年2月期の過去最高(113億9900万円)を更新する。
主力の映画事業で春公開の「テルマエ・ロマエ」に続き、夏休み公開の「BRAVE HEARTS海猿」、「おおかみこどもの雨と雪」などがヒットして好営業成績を上げ、前期に東日本大震災で公演を中止した演劇事業も回復、不動産事業では、前期下期に竣工した物件が寄与したことなどが要因となった。
株価は、自己株式取得に全般相場の急反発が相乗して年初来高値をつけ今期業績の連続減益予想で1217円まで売られ、1300円台の中段もみ合いを続けてきた。投資採算的に割安感は小さいが、なお売り長となっている信用好取組などもサポートして高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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