<マーケットトーク>
米国で7〜9月期決算、日本では2月期決算会社、3月期決算会社の第2四半期累計決算のそれぞれ発表が進行中である。世界的な景気減速感の強まりで先行きの業績懸念が高まっており、前日11日の東京市場では、合計26社が業績修正を発表したが、うち16社が下方修正と下方修正組が6割超にも達しており、市場の懸念を裏打ちする展開となっている。
業績下方修正要因も多岐にわたり、今2月期業績を下方修正したコーナン商事<7516>(東1)は、天候不順、津田駒工業<6217>(東1)は、尖閣列島問題を巡る中国リスクなどを上げている。
これを受けたきょう12日の両社の株価は、コーナン商が、5円安の907円と3日続落して寄り付いたあともみ合いに変わり、津田駒は、7円安の94円と4日間の変わらずを含めて10営業日続落して10月10日につけた年初来安値を更新と、いずれも株価波乱なっており、これから本格化する決算発表動向の前途多難を示唆している。
コーナン商は、今2月期業績の売り上げを期初予想から52億5000万円、経常利益を9億円、純利益を6億8000万円それぞれ引き下げ、純利益は、86億2000万円(前期比7%減)と期初の連続過去最高更新予想が減益転換する。節電・暑さ対策関連需要が、本格的な暑さの到来の遅れでいま一つ盛り上がりに欠けたことを要因の一つに上げている。
一方、津田駒は、今年7月の再下方修正値をさらに再々下方修正、売り上げを54億円、経常利益と純利益を各19億5000万円引き下げ、純利益は、16億円の赤字(前期は8億9500万円の黒字)と赤字転落幅を悪化させる。繊維機械事業で9月以降に尖閣問題の影響が危惧されることを一要因に上げている。
これだけ業績変動要因が多岐にわたり前途多難とすれば、決算発表をキッカケに業績相場がスタートするとの期待は大きく後退し、逆業績相場の逆風が吹きまくり株価がさらに波乱展開することを心配をしなくてはならなくなるかもしれない。(本紙編集長・浅妻昭治)
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!
2012年10月12日