
原発関連の潜在材料は、同社が製造販売している安定ヨウ素剤「ヨウ化カリウム丸」である。一昨年3月の東京電力<9501>(東1)福島第1原子力発電所の事故に際して、原発周辺地域の放射性物質の汚染に対応し、とくに放射性ヨウ素の吸入・内部被曝で甲状腺がんなどの健康被害の発生が懸念された。原子力規制委員会・有識者チームは、これを予防するため同ヨウ素剤の平常時での事前配布が決定され、現在も、この配布に向けて原子力災害対策指針の改定作業が進められているからだ。
原子力規制委員会・有識者チームでは、事前配布は原発周辺地域の50キロ圏を対象と決定、今春には同対策指針も改定される運びになると伝えられており、この結果によって同社業績への押し上げ効果や株価インパクトも大きくなる。同社は、一昨年の原発事故後には同安定ヨウ素剤を200万人分増産したとされている。
株価は、11月期決算から3月期決算に変更された今期第1四半期業績が、期初予想の第2四半期累計業績に対して順調な利益進捗率を示したことで昨年来高値1908円まで250円高したが、11月の通期業績上方修正ではわずか100円幅の上昇にとどまった。PERは13倍台と割安であり、高値奪回へ値幅効果が見込まれる。(本紙編集長・浅妻昭治)
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