
ハイテク株では、前週末に日立ハイテクノロジーズ<8036>(東1)も、3Q決算とともに、3月通期業績の下方修正を発表しており、249円安の1718円と3営業日ぶりに急反落している。
3月期決算会社の3Q業績発表は、今週から本格化するが、ファナック、日立ハイテクの業績下方修正、株価急落は、これをキッカケに期待されていた業績相場は、各銘柄の上方修正・下方修正の業績動向次第の個別物色となる可能性を示唆しているようだ。
ファナックの業績減額は、昨年10月の予想値より売り上げを530億円、経常利益を270億円、純利益を200億円それぞれ引き下げ、純利益は、1160億円(前期比16%減)と前期の過去最高から減益転換し、市場コンセンサスを100億円強下回る。欧州債務問題による欧州市場低迷、急激な金融引き締めによる中国市場の冷え込み、歴史的な超円高による輸出環境の悪化、IT関連の設備投資減少など厳しい状況が続いているとして下方修正しており、1〜3月の為替レートは、1ドル=85円、1ユーロ=115円を前提にしており、現在の為替相場はこの想定レートより円安で推移している。
株価は、中国景気低迷で1万2000円台の下値もみ合いが続き、野田前首相の解散・総選挙表明で底上げ、中国景気の底入れ期待や「アベノミクス」効果で上場来高値1万7130円まで買い進まれ高値調整をしていた。
日立ハイテクも、昨年10月の今期業績の上方修正をテコに昨年8月につけた昨年来高値にあと59円と迫る2010円高値をつけ調整をしていた。下値再確認が続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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