<相場展望>(2月4日〜8日)
■注目のNYダウ史上最高値接近
来週(2月4日〜8日)の株式市場については、大勢として強基調の流れに変化はないだろう。適度な調整が欲しい局面だが、為替の円高修正が進行すれば一段高の可能性もありそうだ。
米国の景気回復期待、そして米国が牽引する形での世界的な景気回復期待がベースにあり、脱デフレ・日本経済再生に向けた『アベノミクス』に対する期待感も強い。日本株の出遅れ水準訂正の動きも加わり、大勢として強基調の流れに大きな変化はないだろう。為替の円高修正進行に加えて、米国市場のダウ工業株30種平均株価が史上最高値に接近していることも支援材料となりそうだ。
前週(1月28日〜2月1日)は、米FOMC(連邦公開市場委員会)声明で量的緩和第3弾(QE3)の前倒し終了観測が後退し、外国為替市場で一段と円売りが加速した。これを好感して日経平均株価は週末1日に1万1200円台を回復する場面があり、終値ベースで12週連続の上昇となった。また週末1日の米国株式市場では、米1月雇用統計や米1月ISM製造業景況感指数を好感して、ダウ工業株30種平均株価が終値で07年10月以来となる1万4000ドル台を回復して市場最高値に接近した。また外国為替市場でも円売りが加速して1ドル=92円台後半、1ユーロ=126円台後半まで円が下落している。このため週初4日の日本の株式市場は買い優勢のスタートとなりそうだ。
■企業業績に「まだら模様」、上方・下方修正入り乱れる
為替が円高修正方向に傾いている間は、スピード調整があっても一時的で、株式市場の大勢は強基調の展開となりそうだ。ただしピークを迎える主力銘柄の第3四半期累計(4〜12月期)業績発表で、個別物色の度合いを一段と強める可能性もあるだろう。前週発表の主力銘柄の業績見通しを見る限りでは、円高修正進行は自動車関連など輸出比率の高い銘柄にとって上方修正要因となっているが、一方で機械や電機などではここまでの需要低迷が下方修正要因となっている。このため今期(13年3月期)業績見通しについては明暗が分かれてややまだら模様だ。
基本的には個別物色の材料であり、今期見通しを下方修正しても来期(14年3月期)に対する期待感が優勢になると考えられるが、逆に今期見通しを上方修正しても材料出尽くしの展開となる銘柄も目立ち始めた。物色動向がシフトする可能性もあり、連日で高値を更新しているような銘柄には一時的に利益確定売りが優勢になる場面もありそうだ。
その他の注目スケジュールとしては、4日の米12月製造業新規受注、5日の中国1月サービス部門PMI(HSBC)、豪中銀理事会、米ISM非製造業景気指数、6日〜7日の英中銀金融政策委員会、7日の日本12月機械受注、日本12月景気動向指数CI速報値、ECB理事会とドラギ総裁の記者会見、7日〜8日のEU首脳会議、8日の日本12月および12年経常収支、1月景気ウォッチャー調査、中国1月貿易統計、中国1月PPI・CPIなどがあるだろう。その後は11日のユーロ圏財務相会合、12日の米大統領一般教書演説、13日〜14日の日銀金融政策決定会合、14日の日本10〜12月期GDP1次速報値、ユーロ圏10〜12月期GDP速報値、15日〜16日のG20財務相・中央銀行総裁会議、25日のイタリア総選挙などが控えている。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)
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2013年02月03日