
同社株は、今年1月15日に前11月期業績を再上方修正、純利益が過去最高を大幅に更新することから昨年来高値まで100円高した。ところがこの業績再上方修正の3日後に発表した今11月期業績は、通期純利益を前期の33億3300万円(前々期比2.9倍)のV字回復から14億7000万円(前期比55%減)と大幅減益転換を予想したことが響き、株価は急落、往って来いとなってしまった。
この前期業績のV字回復と今期の大幅減益転換予想は、注釈が必要である。前期は、同社子会社への宮城県の震災復旧補助金6億900万円や繰延税金資産の追加計上11億7100万円が大きく純利益を押し上げたもので、今期はこの特別利益の一巡が、大幅減益要因となっている。業績実態そのものは、合板事業で合板の販売価格がなお厳しい状況が続くが、住宅建材事業では、介護施設向けの提案営業強化、シェアアップ、耐震性能に優れた構造用MDFの拡販などで連続増収・経常増益転換を予想するなど順調に推移する。
このため配当も、前期に7円(前々期実績5円)に増配したが、今期は10円と連続増配を予定している。
株価は、25日移動平均線を下値支持ラインに上昇、前期業績再上方修正で上放れ25日から大きく上方カイ離し、この修正で再度、25日線を確認して出直りを窺っている。PER4倍台、PBR0.5倍の超割安修正が期待できる。(本紙編集長・浅妻昭治)
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