穴吹興産<8928>(大1)は、今年2月7日に発表した今6月期業績の上方修正と増配で430円とストップ高、7年ぶりの高値を更新し、利益確定売りも交錯し400円台を出没している。しかし、同社の業績環境は、新日銀総裁就任による金融緩和策の加速などで地価の回復、住宅投資の拡大を後押しするなど良好であり、株式需給環境も、今年7月予定の東証と大証の第1部の市場統合がフォローとなることが有力で、なお上値余地を示唆している。PER6倍台の超割安修正が続こう。
同社の今期業績の上方修正は、今期第2四半期(2Q)の分譲マンションの契約戸数が、前年同期比8%増の1312戸の過去最高の契約戸数となり、売上戸数も84%増の956戸と伸び、通期計画戸数に対してそれぞれ56%、50%と前年同期の各47%、31%を上回って好調に推移、つれて販売経費なども削減できたことが要因となった。通期純利益は、期初予想の13億1300万円を17億7700万円(前期比55%増)に引き上げ、連続過去更新の更新幅を拡大する。つれて2Q配当を3円から4円に引き上げ、年間9円(前期実績7円)に連続増配する。
株価は、この業績増額・増配で2006年2月高値409円を上回ったが、同高値は、2005年9月末割り当てで実施した株式分割(1対3)の権利を落としたあとの高値になる。権利落ち前は1000円台に乗せていただけに、現在の400円台はそれだけ値ごろ妙味を発揮している。
今年7月の東証・大証1部の市場統合では、東証株価指数算入に伴う指数連動型のファンドなどの買い需要が発生する需給好転も観測されており、この高値もみ合い場面は待ち伏せ買い好機で、高値更新から上値追いが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!
2013年02月27日