
■先行投資が結実し、スマートフォン時代の到来と共に大幅増収増益でV字回復を達成
福島県、新潟県、長野県を中心に求人情報事業を展開しているピーエイ<4766>(東マ)は、無料求人情報誌「JOBPOST」を発行する一方で、他社に先駆けてスマートフォン専用の求人サイト構築に投資したことが実を結び、スマートフォン時代の到来と共に大幅増収増益でV字回復を達成している。
株式市場の注目を浴びる中で、代表取締役社長加藤博敏氏は、21日の決算説明会で、会社の使命、前期決算概要と今期業績予想、事業環境と戦略について語った。
「我々は、PAM、Potential Achievement Maximizationというビジョンを掲げています。つまり、人財と企業を結ぶサービスを提供し、人財価値と企業価値を最大化しようということです。我々の意識、行動という面から言いますと、Change、Challenge、Createという3Cであります。変化に対して自らを変えて挑戦し、創造し続けることを我々の使命としています。人と企業と地域を、新しい知恵とメディアを使って、活性化させて中小企業の課題を解決していく企業のリーディングカンパニーなろうと思っています。最終的な目標は、お客様の笑顔と感動を実現することです。そのため、現在最も取組んでいるのが、東北地方の大震災からの復旧・復興であります。私が福島県で生まれ、福島県で育ったということで思い入れもありますが、それにしてもあまりにも被害が甚大でありました。そういう状況で、復興ということを考えた場合、もっとも我々が貢献できるのは、雇用という面からサポートすることだと思っています。福島県では、リーマン・ショック、大震災の後、いくつかあった求人情報雑誌は我々を除いてすべて撤退しました。現在残っている求人情報雑誌は当社のしかありません。そういう意味では、我々が復旧・復興で果たす役割は大きいといえます。現在、福島県、宮城県でもかなりの人手不足状態でありまして、とにかく人手が足りなくて人件費が高騰しています。そのため、私達は求人情報事業の中心的な役割を果たしていこうと思っています」と復旧・復興へ使命感を持って意欲的に取り組む姿勢を示した。
前12年12月期連結業績は、売上高12億78百万円(前年同期比21.4%増)、営業利益1億39百万円(同86.8%増)、経常利益1億51百万円(同97.6%増)、純利益2億22百万円(同225.1%増)と大幅増収増益を達成。
好業績の背景には、営業エリアの拡大、復興需要もあるが、スマートフォン時代を予見し、先回りの投資を済ませていたことも要因の一つといえる。
JOBPOSTの売上高推移は、09年5億97百万円、10年6億62百万円(前年比10.9%増)、11年7億39百万円(同11.7%増)、12年9億28百万円(同25.5%増)と売上高、成長率共に年々拡大している。
営業エリアも拡大している。現在、事業所を設置している都・県は、北から岩手県、宮城県、福島県、新潟県、東京都、長野県、石川県で、ウェブと紙媒体の両方で展開している。その他の展開エリアである青森県、秋田県、山形県、富山県、福井県はウェブサービスだけである。しかし、ウェブで対応していることから、全国で同社のJOBPOST web版を見ることが出来る。
■iphone App Storeでも、Androidアプリでも1位
今期13年12月期連結業績予想は、売上高16億円(前期比25.1%増)、営業利益2億円(同43.1%増)、経常利益2億円(同31.7%増)、純利益1億90百万円(同14.8%減)を見込んでいる。最終利益については、税負担により減収となっているが、実体は、前期に引き続き大幅増収増益といえる。
スマートフォン保有率の推移は、11年2月5.3%、12年2月28.2%、12年11月39.1%とわずか1年で急増している。年代別にみると15歳から19歳の保有率は59.3%、20代63.2%、30代47.7%、40代33.4%、50代24.8%、60代13.5%と求人の主力である若者の保有率が高い。
したがって、同社ではスマートフォン対応を完了していることから、「仕事探し」で検索するとiphone App Storeでも、Androidアプリでも同社が1位となっている。また、公式サイトのNTTdocomo、au、SoftBankでも転職部門では15カ月連続1位と他社を圧倒している。
復興・復旧需要により求人情報事業の環境は好転しているうえに、Web版の求人情報サイトを他社に先駆けて立ち上げていることから、事業戦略のうえにおいて同社の優位性は否めない。今後の事業拡大が期待できる。
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