■キムラユニティーは中国の影響あるものの今期も増収増益
キムラユニティー<9368>(東1)の千賀信次・代表取締役専務に、今期(13年3月期)の業績見通しと今後の事業戦略を聞いた。
■来期は米国、中国が収益回復、株価07年以来の4ケタへ
トヨタ自動車<7203>の部品・KD包装を主力とする物流サービス企業で、自動車リース・メンテナンス事業、情報サービス事業も展開している。物流サービスでは積極的な海外展開や、物流請負NLS(ニューロジスティクスサービス)分野の新規顧客獲得などを推進している。
今期の連結業績見通しは、売上高が前期比2.1%増の390億円、営業利益が同2.0%増の13.1億円、経常利益が同3.1%増の14.5億円、純利益が同18.7%増の8.4億円としている。10月26日に減額修正したが増収増益を確保する見込みだ。減額の要因について千賀信次・代表取締役専務は「トヨタ自動車の中国での大幅減産、NLS新規事業所での生産性改善遅れ、業容拡大に伴う生産準備費用の想定以上の増加、米国子会社の収益改善遅れ、米国子会社に対する投資損失引当金積み増しなど、期中にマイナス要因が重なった」としている。
ただし減額要因となった事項の足元の状況を聞くと千賀信次・代表取締役専務は、中国関連については「トヨタ自動車の減産の影響は第4四半期(1〜3月期)に入ってほぼ解消されている」としている。またNLS事業については「第2四半期(7〜9月期)から本格的な改善活動に取り組んだ効果で、新規事業所の来期(14年3月期)の収益は大幅に改善する見通し」としている。さらに米国子会社についても「今期は売上が計画を下回ったが、足元では受注が大幅に増加しているため、来期は増収効果で営業損益が改善する見込み」としている。来期は減額要因の一巡が期待されそうだ。
中期的には、トヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて海外展開を加速するとともに、ネット通販市場の拡大が追い風となるNSL事業で生産性改善と新規顧客開拓を加速させる方針だ。千賀信次・代表取締役専務は今後の課題として「海外展開加速に伴う人材育成に加えて、NLS事業では作業時間のバラツキに対応した人員配置など生産性向上推進」としている。トヨタ自動車の世界生産は円高修正も寄与して好調に推移することが予想され、NLS事業の収益改善も寄与して中期的な収益拡大が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、1月31日の昨年来高値849円から一旦反落し、利益確定売りなどで2月15日に790円まで調整する場面があったが、足元では830円近辺に戻している。短期調整が完了して中期的な成長力を評価する動きだろう。2月27日の終値833円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS69円60銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1724円14銭で算出)は0.5倍近辺となる。
日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復する動きを強め、週足チャートで見ても13週移動平均線近辺から反発している。サポートラインを確認して上値を試す動きだろう。09年8月の835円を突破したため、08年9月の919円が当面のターゲットになるが、07年12月以来の1000円台回復を目指す展開が期待されそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)
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2013年02月28日