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2013年03月01日

【アナリストの眼】大幸薬品、感染症対応の「クレベリン」好調、業績増額で割安

<業績&株価分析>

アナリストの眼 大幸薬品<4574>(東1)に注目したい。止瀉薬「正露丸」や「セイロガン糖衣A」を主力とする一般医薬品メーカーで、水なしで飲める下痢止め薬「ピシャット」や整腸薬「ラッパ整腸薬BF」にも進出している。また感染管理事業では、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症に対応した除菌・消臭製品「クレベリン」や「ウィルシールド」などを展開している。

 2月7日に今期(13年3月期)見通しの増額修正、2月12日に第3四半期累計(4〜12月期)連結業績を発表した。第3四半期累計業績は売上高が前年同期比20.1%増、営業利益が同55.5%増、経常利益が同59.6%増、純利益が同77.5%増の大幅増収増益だった。ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生や季節性インフルエンザの流行開始を背景として、感染管理事業が第3四半期(10〜12月期)に大幅増収となって全体を牽引した。医薬品事業は海外向けが堅調だったが、国内が低調だった。

 通期見通しは、売上高を6億円増額して前期比6.2%増の71億円、営業利益を3億円増額して同65.2%増の8.5億円、経常利益を3.7億円増額して同61.2%増の9億円、純利益を2.3億円増額して同51.6%増の7.3億円とした。医薬品事業は国内の止瀉薬市場の停滞で計画を下回る模様だが、感染管理事業の売上が想定を大幅に上回る模様だ。通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が82.2%、営業利益が152.2%、経常利益が149.5%、純利益が170.8%となり、利益は超過達成しているが、売上は第3四半期がピークで第4四半期(1〜3月期)は減少するという季節要因があるため、四半期別にみると第4四半期は営業赤字となる模様だ。

 株価の動きを見ると、増額修正を好感して2月8日に949円まで上昇した後に急反落して、2月15日に823円まで調整する場面があった。しかし足元では880円近辺まで戻している。利益確定売りが一巡して上値を窺う態勢のようだ。2月28日の終値879円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円28銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS673円11銭で算出)は1.3倍近辺となる。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面の形だが、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発した。サポートラインを確認した形であり、上値を試す展開が期待されそうだ。900円台半ばにフシの感もあるだけに、11年4月の978円を突破すれば一段高の可能性もあるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:17 | アナリストの眼