アーバネットコーポレーション<3242>(JQS)に注目したい。東京23区で投資用・分譲用マンションの開発・販売事業を展開している。金融緩和強化、消費増税前駆け込み需要、投資用マンション市場拡大が支援材料であり、株価は再動意の構えのようだ。
今期(13年6月期)業績(非連結)見通しは、2月7日に経常利益と純利益の増額修正を発表し、売上高が前期比4.1%増の71億円、営業利益が同55.0%増の7億15百万円、経常利益が70百万円増額して同39.7%増の5億90百万円、純利益が2億10百万円増額して同63.7%増の6億90百万円としている。投資用・分譲用マンションの開発・販売が好調で、販売直接費の減少などで営業損益が大幅に改善している。また経常利益については開発用地購入決済遅れや金利低下に伴う支払利息減少、純利益については繰延税金資産計上が寄与する模様だ。
東京23区などでは流通用地の不足や、不動産価格上昇を見込んだ用地売り惜しみの動きも見られるようだが、一方では景気回復期待などで投資用マンションに対する投資意欲も一段と高まっている模様だ。当面の事業環境は良好と言えるだろう。
なお2月7日に、マイルストーン・キャピタル・マネジメントを割当先として、第三者割当方式による新株予約権発行(行使価格5万876円、潜在株式数は発行済株式総数の11.02%にあたる9900株)と、コミットメント条項付き第三者割当契約の締結を発表し、2月25日に払込が完了している。
株価の動きを見ると、短期的に過熱感を強めたこともあり、2月4日の戻り高値5万9700円から急反落して2月15日の3万7300円まで調整したが、足元では急反発して5万円台に戻している。新株予約権発行も意識された可能性があるが、過熱感が解消されて再動意の構えだろう。3月1日の終値5万3600円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS7833円97銭で算出)は6〜7倍近辺、予想配当利回り(会社予想の年間1000円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績BPS1万6179円99銭で算出)は3.3倍近辺となる。
日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から急反発している。サポートラインを確認して強基調に回帰する形だろう。金融緩和強化などを支援材料に上値追いの展開が期待されるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)
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2013年03月04日