曙ブレーキ工業<7238>(東1)に注目したい。株価は今期(13年3月期)2回目の減額修正を嫌気して急落したが、来期(14年3月期)業績に対する期待感で高値圏回帰の動きを強めてきた。
今期連結業績見通しについては2月5日に2回目の減額修正を発表し、売上高を37億円減額して前期比2.3%減の2047億円、営業利益を20億円減額して同4.3%増の40億円、経常利益を12億円減額して同47.8%増の31億円、純利益を20億円減額して1億円(前期は32億15百万円の赤字)とした。中国での日本車不買運動に伴う国内自動車減産の影響、欧州での想定以上の製品構成の悪化などが減額要因となり、増益幅が縮小するとしている。ただし通期予想に対する第3四半期累計(4〜12月期)の進捗率は、売上高が76.3%、営業利益が91.2%、経常利益が90.5%、純利益が132.0%と高水準だった。
来期については北米自動車市場の好調を背景として、主力の米GM向けやトヨタ自動車<7203>向けが順調に推移することが予想される。北米事業の収益改善に加えて、円安進行もプラス要因となるだろう。
株価の動きを見ると、水準を切り上げて2月4日と5日には戻り高値となる494円まで上昇したが、今期2回目の減額修正を嫌気して急落し、2月15日の386円まで調整した。ただし足元では420円〜430円近辺まで戻して調整一巡感を強めてきた。3月13日の終値424円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS75銭で算出)は565倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS326円39銭で算出)は1.3倍近辺となる。
日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発している。サポートラインを確認した形だろう。円安進行が支援材料であり、高値圏への回帰が期待されるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)
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2013年03月14日