
今期連結業績見通しは、売上高が前期比10.0%増の190億円、営業利益が同21.3%増の12億50百万円、経常利益が同14.9%増の13億50百万円、純利益が同70.8%増の7億60百万円としている。ソフトウェア開発事業ではクレスコ北陸(旧ソラン北陸)の完全子会社化も寄与して、公共サービス分野や流通分野が堅調である。組込型ソフトウェア開発事業では通信端末関連やカメラ関連の開発案件が好調な模様である。不採算だったマーケティングソリューション事業(沖縄センター)の譲渡も損益改善に繋がり、純利益については退職給付制度改定損失の一巡も寄与する。
来期(14年3月期)については、景気回復なども後押しする形で企業のIT投資は高水準に推移することが予想される。消費税率引き上げ前の駆け込み需要なども期待されるだろう。重点戦略として、得意分野を持つビジネスパートナーとの企業間連携を推進しており、中期的にも収益拡大が期待されるだろう。
なお3月13日に、持分法適用会社であるアプレッソの株式をセゾン情報システムズ<9640>に譲渡すると発表した。選択と集中の観点から資本関係を解消するもので、営業面での協業は継続するとしている。また3月18日には、期末配当を従来予想の11円から3円増額して14円とし、年間では25円(第2四半期末11円、期末14円)にすると発表した。
株価の動きを見ると、戻り高値圏の概ね620円〜650円近辺でモミ合う展開だったが、3月18日に発表した期末配当増額修正を好感して動意付き、翌19日に699円まで上昇して12年2月と12月の戻り高値688円を突破した。3月19日の終値690円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円41銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は3.6%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS707円87銭で算出)は1.0倍近辺である。
モミ合いから上放れた形であるとともに、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から上伸してサポートラインも確認した形となった。先高感を強めて上値追いの展開が期待されるだろう。11年3月の747円は射程圏であり、06年5月以来の800円台も視野に入りそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)
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