
同社の前2013年3月期業績は、昨年7月、11月と上方修正された。インクジェット事業で単独事業化により原価を低減して販管費を削減、想定為替レートも、期初予想の1ドル=82円、1ユーロ=107円からそれぞれ79円、100円と円高方向で見直したが、第3四半期(3Q)は80円、102.17円で着地したことなどが要因となった。続く今2014年3月期業績も、純利益は税金費用の平準化で減益転換するものの、インクジェットプリンターの新製品効果で国内が順調に推移し、円安効果も上乗せすることから続伸が観測されており、5月7日の決算発表が注目される。
一方、自己株式取得は、昨年5月の決算発表時、今年1月の第3四半期発表時に相次いで実施され、約1カ月で取得を終了するとともに、今年1月には自己株式消却も合わせて行っている。決算発表と同時の自己株式取得は、前々期、前々々期と継続しており、5月7日の決算発表時の繰り返しも、十分に想定範囲内となる。
株価は、今年1月発表の3Qの好決算と自己株式取得・消却で窓を開けて年初来高値2020円まで急伸したが、取得終了とともに利益確定売りも交錯してほぼ往って来いの調整となり、下げ過ぎとして25日移動平均線水準までリバウンドした。PERは10倍台と割安であり、一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!