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2013年06月01日

【アナリストの眼】アールテック・ウエノは今期23%増益に新薬開発続く、週足チャート堅調

<業績&株価分析>

アナリストの眼 創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ<4573>(JQS)の週末31日の終値は前週末比9000円高の46万3000円。週間での安値は41万4000円だったが、前週の安値41万6000円に対し底堅い展開だった。

 緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、および米スキャンポ社の便秘症治療薬アミティーザの受託製造を主力としている。新薬ではドライアイ治療薬やアトピー性皮膚炎治療薬などの研究開発を進めている。米スキャンポ社はアミティーザの日本と欧州での販売承認取得、米国での追加新薬の承認取得、米国でのレスキュラ点眼薬の上市など、販売地域や適応の拡大戦略を推進している。

 5月14日発表の前期(13年3月期)業績(非連結)は前々期比12.3%増収、同26.2%営業減益、同17.0%経常減益、同17.4%最終減益だった。アミティーザの受託数量が増加したが、レスキュラ点眼薬の薬価改定やロイヤリティー収入減少の影響、網膜色素変性治療薬ウノプロストン(開発コードUF−021)の第3相臨床試験開始に伴う研究開発費の増加などで減益だった。

 今期(14年3月期)見通しは売上高が前期比9.6%増の49億91百万円、営業利益が同23.8%増の9億71百万円、経常利益が同9.4%増の9億74百万円、純利益が同12.7%増の6億33百万円としている。レスキュラ点眼薬の薬価改定の影響一巡、アミティーザの販売好調などで好業績が期待されるだろう。配当予想は株式200分割を考慮すると実質的に同5円増配の年間20円(期末一括)とした。

 4月26日には、重症ドライアイに対する遺伝子組み換え人血清アルブミン(開発コードRU−101)点眼液の新薬臨床試験開始申請が、米食品医薬品局(FDA)の承認を受けたと発表した。また5月30日には、米スキャンポ社が欧州医薬品庁(EMA)から、ウノプロストンが網膜色素変性治療薬としてオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けたと発表している。米国での指定取得に続くもので、欧米でウノプロストンによる網膜色素変性治療薬の開発を行なう予定としている。

 なお5月14日に株式分割と単元株制度の採用を発表している。6月30日を基準日(効力発生日7月1日)として1株を200株に分割し、単元株式数を100株とする。

 株価の動きを見ると、4月中旬に動意付いて直前の25万円近辺から5月2日の年初来高値68万7000円まで急騰した。その後は急騰の反動局面。

 5月31日の終値46万3000円を指標面(株式200分割前)で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS6566円00銭で算出)は70倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4000円で算出)は0.8%近辺、実績PBR(前期実績のBPS8万4665円65銭で算出)は5.6倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発し、サポートラインを確認した形だろう。4月中旬から5月2日の高値までの上昇幅の半値押し水準で値幅調整がほぼ完了し、反発の動きが期待されるだろう。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:40 | アナリストの眼