
業務用・家庭用レギュラーコーヒー事業を主力として、イタリアントマトやアマンドなどの飲食事業も展開している。イタリアントマトの前期(13年3月期)末店舗数は直営77店舗、FC227店舗、合計304店舗である。また13年1月には銀座ルノアール<9853>を持分法適用会社化した。
5月15日発表の前期(13年3月期)連結業績は前々期比0.3%減収ながら、同45.0倍営業増益、同5.0倍経常増益で純利益は黒字化した。新商品投入や効率化の効果に加えて、コーヒー生豆相場の下落でコーヒー事業の営業損益が大幅に改善した。飲食事業も新規出店や不採算店閉鎖などの効果で順調だった。純利益は銀座ルノアールとの資本・業務提携に伴う負ののれん発生益計上も寄与した。配当は同2円増配の年間12円とした。
今期(14年3月期)見通しは売上高が前期比0.6%減の533億円、営業利益が同16.2%増の11億円、経常利益が同7.9%増の14億円、純利益が同25.1%減の8億20百万円としている。純利益は負ののれん益一巡で減益だが、コーヒー市場の拡大や銀座ルノアールとのシナジー効果が期待されるだろう。コーヒー生豆相場が下落傾向であることもプラス要因だ。配当予想は同2円増配の年間14円(第2四半期末7円、期末7円)とした。
株価の動きを見ると、5月以降は概ね1540円近辺の小幅レンジでモミ合い展開が続いている。市場全体の波乱の影響も受けて1500円近辺まで調整する場面があったが、足元では反発してモミ合いレンジに回帰している。5月31日の終値1540円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS36円15銭で算出)は42〜43倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間14円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1499円49銭で算出)は1.0倍近辺である。
週足チャートで見ると26週移動平均線が抵抗線の形だが、日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線をすぐに回復した。下値固めが完了した可能性があり、26週移動平均線突破とモミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)
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