
同社の業績は、前期に2回も下方修正されるなど不振が続いた。コンピュータ用モニター、アミューズメント用モニターとも、欧州の景気低迷や国内のパチンコ関連の新機種販売減少などで売り上げが計画に達しなかったことが要因となった。とくに欧州向けでは、従来の主要代理店Avnet社 の販売から自社販売網ヘ移管するために、欧州販売子会社を設立、昨年7月から本格的に営業を開始したが、この販売代理店契約解消に伴う同代理店の保有在庫買い戻しなどの返品処理をしたことで売り上げの減少幅が悪化した。このため前期純利益は、期初予想の36億円が、18億円、15億5000万円へと次々に引き下げられ、実際は、15億9800万円(前々期比2%減)で着地したものの、連続減益となった。
これに対して今3月期業績は、欧州販売子会社の販売・マーケティング活動の強化や、国内では、医療市場向けのLEDバックライト搭載のモニターの新製品や、セキュリティなどの警備用途向けの産業市場向けモニターなどのラインアップを充実することなどからV字回復、経常利益は、60億円(前期比93%増)、純利益は、37億円(同31%増)と予想されている。
株価は、前期第3四期業績での4億2800万円の為替差益発生を受けて1715円高値をつけて1442円まで調整、今年4月の前期業績の再下方修正では、1622円安値で踏み止まり、今期業績のV字回復予想で窓を開けて年初来高値まで急伸、窓埋めの半値押し水準でもみ合ってきた。高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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