
半導体・FPD・太陽電池関連製造装置に使用される真空部品や電極などの精密加工事業を主力としている。今期(13年8月期)業績(非連結)見通しは売上高が前期比0.3%減の11億円、営業利益が同29.0%増の65百万円、経常利益が同2.1倍の45百万円、純利益が40百万円で最終黒字化としている。FPD分野のスマートフォン向け装置部品の受注が堅調で、半導体分野の受注も回復傾向の模様だ。さらに製品構成改善、円安進行による為替差益なども寄与する見込みだ。
第2四半期累計(12年9月〜13年2月)は前年同期比6.2%減収だったが、同35.2%営業増益で期初計画を上回り、利益面ではすでに通期見通しを超過達成している。半導体分野が不透明として通期見通しを据え置いているが、通期上振れの可能性があるだろう。
なお13年4月度の月次受注残高(速報値)は、FPD分野が91百万円、半導体分野が46百万円、その他が0百万円、合計が1億38百万円(前月比で21.8%減少、前年同月比で19.3%増加)だった。FPD分野は出荷検収が順調なため前月比で減少したが、半導体分野は受注が堅調で前月比でも増加した。
株価の動きを見ると、5月上旬の4万円近辺から5月22日の年初来高値7万700円まで急伸した。その後は反動局面で5月28日には4万8400円まで調整したが、概ね5万円近辺で堅調に推移している。6月3日の終値5万2500円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS2292円79銭で算出)は23倍近辺である。
週足チャートで見ると5月22日の高値で長い上ヒゲを付けて目先天井感を意識させる形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込まず強基調を継続しているようだ。通期見通しの上振れの可能性もあるだけに、収益改善期待で高値を試す可能性があるだろう。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)
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