<業績と株価>
■4ケタ割れ好仕込み場
寿司ロボットメーカーの鈴茂器工<6405>(JQS)は全般相場安から1000円割れの調整となっている。中期成長期待が大きいだけに、4ケタ割れは好仕込み場といえる。
寿司・のり巻きロボット、おむすび・ご飯盛り付けロボットなどの米飯加工機械を主力として、子会社ではアルコール系除菌剤など衛生資材事業を展開している。米飯加工機械は、回転寿司・持ち帰り寿司・牛丼店チェーンなど外食業界、弁当・おむすび・惣菜店チェーンなど中食業態の新規導入、新規出店、さらに海外進出が追い風となっている。子会社の衛生資材事業もノロウイルス集団感染予防などで需要拡大が期待される。
5月15日発表の前期(13年3月期)連結業績は、前々期比13.2%増収、同34.8%営業増益、同35.7%経常増益、同65.8%最終増益だった。米飯加工機械の受注が回転寿司、弁当・惣菜、丼物チェーンの店舗向けに好調だった。
今期(14年3月期)の見通しは売上高が前期比2.1%増の73億円、営業利益が同7.5%増の10億30百万円、経常利益が同7.3%増の10億40百万円、純利益が同5.2%増の6億30百万円としている。主力の店舗向け小型ロボットの受注が高水準であり、海外専用機としての海苔巻きロボットなど新製品も寄与する見込みだ。会社予想は保守的な印象が強く上振れの可能性もあるだろう。配当予想は年間15円(期末一括)とした。4月1日付の株式分割を考慮すると実質増配となる。
また株式流動性向上を図るため、6月4日に立会外分売を発表している。分売予定株式数29万8000株、分売予定期間6月10日〜6月14日で、分売価格は分売実施日前日の終値もしくは最終気配値としている。
株価の動き(4月1日付で1株を1.2株に株式分割)を見ると、5月10日の年初来高値1625円から反落して6月3日の1020円まで調整した。ただし週足チャートで見ると26週移動平均線に接近しており、調整一巡の水準だろう。
6月7日の終値99円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円85銭で算出)は9倍台、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.5%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS1119円47銭で算出)は0.9倍近辺である。中期成長期待が大きいだけに、市場全体が落ち着けば反発力は強いだろう。(ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展)
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2013年06月07日
【ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展の視点】鈴茂器工は米飯が内外で好評価は追い風、今期も増収増益
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