GMOクラウド<3788>(東マ)の11日株価は5000円安の12万7000円と前日の1万8000円高から反落した。しかし、昨日の上げに比べると下げは小さい。ネット選挙関連が材料視されるだけに、参院選が接近して反発の動きを強めるだろう。
ホスティングサービス(サーバ管理)や電子認証サービスなどを展開している。公職選挙法改正によるネット選挙解禁に伴い、第三者によるウェブサイトや電子メールの「なりすまし」を防止するための認証サービスを、子会社のGMOグローバルサインが全政党に提供(寄付)し、自民党、民主党、日本維新の会、みんなの党、社民党の導入が決定している。クラウドサービスの市場拡大やストック型ビジネスの強みで中期的に収益拡大が期待されるだろう。
今期(13年12月期)連結業績見通しは売上高が前期比5.3%増の99億10百万円、営業利益が同11.4%増の10億83百万円、経常利益が同11.2%増の10億80百万円、純利益が同19.7%増の6億26百万円としている。ホスティングサービス事業の既存分野での価格競争激化や投資負担が利益圧迫要因だが、クラウドサービスの顧客数は増加基調である。セキュリティサービス事業は国内外での販売代理店拡大、ソリューションサービス事業はスピード翻訳サービスの利用者数増加を見込んでいる。
第1四半期(1月〜3月)業績は、少数株主利益の増加によって前年同期比6.8%最終減益だが、セキュリティサービスの好調などで同4.9%増収、同3.6%営業増益だった。通期予想に対する進捗率は売上高が24.9%、営業利益が24.5%であり概ね順調な水準だろう。
株価の動きを見ると、5月14日の年初来高値20万8000円から反落して、6月7日には9万9900円まで調整する場面があった。ただし終値では11万4000円まで戻した。さらに6月10日には前日比16.32%高の13万2600円まで急伸する場面があった。
6月10日の終値13万2000円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS5379円52銭で算出)は24〜25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1900円で算出)は1.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3万8037円96銭で算出)は3.5倍近辺である。
日足チャートで見ると6月7日に下ヒゲを付け、6月10日の急反発で75日移動平均線を回復した。週足チャートで見ても、26種移動平均線近辺で下ヒゲを付けて反発した。下値を確認した形であり、調整一巡して反発の動きが期待されるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年06月11日
【ジャーナリスト&アナリスト水田雅展の視点】GMOクラウド下げるも前日の大幅高に比べ小さい、ネット選挙関連でも有望
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:09
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