冷蔵倉庫大手のヨコレイ<2874>(東1)の株価が調整一巡感を強めている。収益改善見通しやPBR1倍割れを評価して、出直り展開が期待されるだろう。
冷蔵倉庫事業を主力として、水産品や畜産品などの食品販売事業も展開している。国内冷蔵倉庫の能力増強を進める方針で、12年には北海道・喜茂別物流センターが本格稼働した。さらに14年4月竣工予定で北海道・小樽市の石狩第二物流センター(仮称)、14年6月竣工予定で大阪市の夢洲物流センター(仮称)の新設を発表している。ASEAN地域への事業展開も本格化しており、5月14日にはタイの子会社設立を発表した。
今期(13年9月期)連結業績見通しは5月7日に増額修正して、売上高が前期比0.8%増の1120億円、営業利益が同3.7倍の40億円、経常利益が同3.2倍の40億円、純利益が同11.6倍の23億円としている。主力の冷蔵倉庫事業で貨物取扱量が順調に推移し、食品販売事業では水産物市況が緩やかに回復して営業損益が大幅に改善する見込みだ。
なお第2四半期累計(12年10月〜13年3月)の通期予想に対する進捗率は売上高が50.2%、営業利益が57.3%、経常利益が60.0%、純利益が64.5%と高水準であり、再度の増額修正の可能性もあるだろう。
株価の動きを見ると、高値圏850円〜900円近辺でのモミ合い展開から下放れて調整局面となり、6月7日の711円まで調整した。ただし6月10日は前日比36円高と急反発し、6月11日は前日比27円高の786円まで続伸する場面があった。調整が一巡して出直り態勢のようだ。
6月11日の終値779円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円45銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.6%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1068円19銭で算出)は0.7倍近辺である。
日足チャートで見ると6月7日の安値圏での十字足に続き、6月10日の急反発と6月11日の続伸で抵抗線の5日移動平均線を回復した。週足チャートで見ても26週移動平均線近辺から反発し、下値を確認した形だろう。今期収益改善や再増額の可能性、さらにPBR1倍割れにも見直し余地があり、出直り展開が期待されるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展)
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2013年06月13日
【ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展の視点】ヨコレイは収益改善、PBR1倍割れに注目、物流センター建設を積極化
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:49
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