
同社の株価が、様変わりとなったのは、5月8日に今年3月に下方修正した前期業績を一転して上方修正、ストップ高する急伸を演じたためである。前期業績は、欧州の景気低迷でスイスの時計メーカー向けの時計バンドの受注が減少し、製造子会社のあるベトナムで物価高騰に伴う給料手当ての増加などの人件費増などが重なり下方修正されていたが、円安の定着で3月度の売り上げが伸び、ベトナム工場の生産性向上も加わり上方修正、純利益は、3月修正値4800万円を9000万円(前々期比69%減)に引き上げ、減益転換率を縮小させた。続く今期業績は、時計バンドでは、国内大手時計メーカーの事業規模拡大に呼応して高付加価値品の受注を推進、ベトナムの生産設備も増強することなどからV字回復、純利益は、1億7500万円(前期比92%増)と予想している。
株価は、前期業績の上方修正でストップ高したあと、今期業績のV字回復予想で年初来高値まで上値を伸ばし、全般相場の急落とともに利益確定売りが交錯して100円台を出没している。PERは8倍台、 PBRは0.9倍と評価不足となっており、下値逆張り妙味を示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)
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