調剤薬局チェーンのアイセイ薬局<3170>(JQS)の13日株価は42円高の1850円。全般相場が大きく下げた中で強さが光る。
関東・東海・関西・北海道・東北を中心に調剤薬局チェーンを展開し、M&Aや事業継承を活用するとともに、ドミナント出店戦略によって店舗運営の効率化を進めている。医療モール開発に強みを持っていることが特徴で、子会社では介護福祉事業や後発医薬品卸売事業を展開している。
前期(13年3月期)の連結業績は、新規出店(16店舗)とM&A・事業継承(30店舗)の効果、さらに既存店の好調(前々期比1.9%増)などで11.6%増収だったが、繁忙期の薬剤師不足などで人件費が増加し、減損損失計上も影響して25.5%営業減益、25.6%経常減益、47.0%最終減益だった。閉店・譲渡は11店舗で、期末店舗数は35店舗増加の249店舗となった。
今期(14年3月期)見通しは、M&A・事業継承を織り込まず、新規出店13店舗の予定で、売上高が前期比11.6%増の471億34百万円、営業利益が同0.1%増の14億19百万円、経常利益が同10.0%減の11億55百万円、純利益が同43.6%増の6億01百万円としている。医療モール開発を含めた新規出店は順調だが、新卒薬剤師採用増加などに伴う人件費増加で営業利益は横這い見込みだ。純利益は減損損失一巡が寄与する。M&A・事業継承については発生段階で業績予想に反映させるとしている。
なお5月13日に発表した中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、医療モール型の店舗展開やM&A・事業継承を進め、経営目標として16年3月期の売上高700億円以上を掲げている。
株価の動きを見ると、5月13日の年初来高値2415円から反落して水準を切り下げ、6月7日には1721円まで調整する場面があった。ただし足元では1800円台に戻している。6月13日も市場全体が軟調な中で1800円台を割り込むことなく強い動きである。
6月13日の終値1850円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS263円03銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1730円12銭で算出)は1.1倍近辺である。予想PERに割安感を強めており、下値を固めて反発展開が期待されるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展)
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2013年06月14日
【ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展の視点】アイセイ薬局株価は全般安の中で強さ光る、M&A推進で今期2ケタ増収
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