
同社業績の好転は、まず3月26日の東証1部上場の半月後の4月22日に発表した前3月期業績の上方修正、記念増配として表面化した。今年1月に下方修正したものを一転、上方修正したもので、純利益は、26億円を29億5700万円(前々期比32%減)に引き上げ、連続減益率を縮めた。売り上げに占めるパワーシステム製品の割合が増加、想定を上回る円安となったことなどが要因となった。前期配当は、上場記念配当2円を上乗せして年間15円(前々期実績13円)に増配した。
次いで今3月期業績は、増収増益転換を予想した。パワーシステム事業では、太陽光発電用コンディショナーが、前期の過去最高の出荷量からさらに続伸し、電気自動車用急速充放電器、家庭用燃料電池などの環境関連製品の需要が増加することが寄与する。純利益は、38億円(前期比28%増)と増益転換を見込んでいる。
株価の好転は、東証1部指定替え承認でストップ高して、4月22日の前期業績の上方修正・記念配当と続いて上値を追い、今期業績の増益転換予想で年初来高値836円をつけ、指定替え承認から5割高する展開として表れた。
ただ株価は、この高値をつけた5月23日に米国FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長の金融緩和縮小発言が伝わり、全般相場の地合いが急悪化した影響で調整場面となった。ただ下値は、1株純資産667円目前の671円で踏み止まり、100円幅のリバウンドと急速に戻した。PERは12倍台と割安であり、4ケタ台回復でもPERは16倍台の評価でしかなく、押し目買い対処で報われそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)
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