プリマハム<2281>(東1)は、今年1月の前期第3四半期(3Q)の好決算報道をキッカケに年初来安値水準の157円から年初来高値294円まで9割高し、ほぼ往って来いの調整となったが、再度、下げ過ぎ訂正に弾みをつけそうだ。来月7月から順次、同社製品の値上げを実施、業績上ぶれ期待を高めており、低位値ごろ割安株買いの再燃につながるためだ。同社の大口取引先のコンビニエンスストア(CVS)業界で、新規出店競争がヒートアップしていることもフォローの材料となろう。
同社製品の値上げは、円高に伴う豚肉を中心とした原料価格高や輸入加工品の値上がり、包装資材、植物油の副資材、燃料費など諸経費の上昇は、全社的な効率化などの企業努力によるコスト吸収の限界を超えているとして、ハム・ソーセージ、加工食品を対象に国内生産品を平均約7%、輸入加工品を同約13%それぞれ7月から順次値上げする。株価は、この価格改定発表とともに、194円高値まで上ぶれ歓迎高した。
同社の業績は、前3月期第3四半期(3Q)営業利益が、業績観測報道通りに連続過去最高と伸び、今期業績への期待を高めたが、期待通りにはいかず、売り上げ2850億円(前期比3%増)、経常利益75億円(同5%減)、純利益40億円(同8%減)と増収減益転換を予想した。ハム・ソーセージでは「香燻あらびきポークウインナー」などの重点商品を集中拡販、加工食品も、惣菜部を新設してCVS業界、外食産業向けの商材の開発・拡販を進めており、CVS大手各社は、今期に過去最高の新規出店を計画しているだけに、値上げ効果浸透次第だが、増益転換の業績上ぶれも期待されることになる。
株価は、3Q好決算報道に反応して1株純資産159円水準から年初来高値まで140円高し、今期業績の減益転換予想で下値を探り、全般相場急落とともに178円安値までほぼ往って来いの調整をし底上げを窺っていた。PERは10倍台となお下げ過ぎを示唆しており、値ごろ妙味も株価材料に高値奪回に再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2013年06月28日