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2013年07月02日

【話題】新興国の大規模デモの行方

■強権的政府・経済低迷・社会格差拡大・物価上昇への不満に閣僚・官僚汚職などの共通項

話題 トルコ、ブラジル、そしてエジプトと、経済成長が期待される新興国に大規模デモが広がっている。社会不安の増大がもたらす世界経済への影響に注意が必要かもしれない。

 トルコでは5月27日、最大都市イスタンブールの公園再開発に反対する市民運動が強制排除されたことが発端となり、独裁者と批判されるエルドアン首相の長期政権に反対する大規模デモに発展した。そして1カ月が経過しても混乱が続き、20年夏季オリンピック招致活動への悪影響も懸念されている。

 ブラジルでは、最大都市サンパウロのバス・地下鉄運賃値上げに抗議する運動が発端となり、14年6月開催予定のサッカーW杯に多額の公金が投入されることに反発した抗議運動として全国に広がった。コンフェデレーションズ杯開催中の6月20日には、首都ブラジリアなど100都市で反政府デモが行われ、参加者は合計100万人を超えたと伝えられている。そしてルセフ大統領は日本訪問を延期して対応に追われたが、有効な収拾策のメドが立たない状況のようだ。

 そしてエジプトでは、ムルシ大統領の就任から1年目を迎えた6月30日、大統領支持派と大統領退陣を要求する反大統領派の双方が、全土で大規模なデモを繰り広げ、激しく衝突する事態が発生した。

 こうした大規模デモや社会混乱の背景には、強権的な政府・独裁政権への抗議、経済低迷・社会格差拡大・物価上昇への不満、閣僚・官僚汚職への反発などがあるとされ、10年末から11年にかけて、チュニジアから北アフリカや中東に広がったジャスミン革命を思い出させる。

 当時のジャスミン革命の場合は、長期独裁政権を打倒する民主化運動の側面があり、世界経済への影響も限定的だった。しかし中国各地で多発していると噂されるデモや暴動なども含めると、経済成長したBRICs諸国の一角や、BRICs諸国の次を担う成長国と期待される地域にまで、こうした大規模デモや社会混乱の動きが広がっていることになる。

 当面は世界経済への影響は限定的と見られるが、金融市場にとって大きなリスク要因に発展する可能性がないわけではない。過小評価せず、その動向には注意しておきたい。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:55 | 話題