オーデリック<6889>(JQS)は、梅雨明け後の「節電の夏」本番を前に、猛暑関連・電力不足思惑先取りで急騰習性の再発揮が期待十分で、値幅取り妙味を示唆している。照明器具の専業メーカーとして、省エネ効果の高いLED照明器具にターゲットを絞った積極経営政策を続け、今3月期純利益は、過去最高を連続大幅更新、連続大幅増配が予想されていることがフォローの材料になる。株価も、前期業績の上方修正、増配、業績上ぶれ観測報道のたびにストップ高を演じており、この再現も有力となる。
同社の今期業績は、売り上げ360億円(前期比19%増)、経常利益45億5000万円(同74%増)、純利益28億円(同82%増)と大幅続伸が予想されている。配当は、前期に期初予想の30円(前々期実績25円)を期中に相次いで増配、50円に引き上げたが、今期はさらに100円に大幅アップを予定している。
照明器具の専業メーカーとしてLED照明器具、蛍光灯照明器具、白熱灯照明器具を手掛けているが、東日本大震災以降の節電・省エネ意識の高まりで、前期にLED照明器具が、前々期比2.4倍の150億円超と全売り上げの49.8%に達したことが、今期業績の続伸要因となる。その分、前期は蛍光灯、白熱灯は伸び悩んだが、同社では、今期もLED照明器具の品揃えを充実し、店舗、商業施設、オフィスなど非住宅分野向けのシェアを拡大し、蛍光灯では各ジャンルの品揃えを縮小させ、白熱灯も、各メーカーが白熱電球の製造・販売を停止させていることに対応し、取り扱いを限定する。
株価は、合計3回実施した前期業績の上方修正と2回の増配のたびに上値を伸ばし、今年4月の上方修正と5月の今期業績の大幅続伸・増配予想ではストップ高をして年初来高値5770円をつけた。同高値から全般相場波乱で3690円安値まで2000円安となり、いったん1000円高と持ち直したものの、今度は新興市場の急落が響いて3720円まで再調整、4000円台を出没している。PERは8倍台、配当利回りは、値がさにもかかわらず2.3%と割安であり、再度の値幅効果が狙えよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2013年07月03日