ニイタカ<4465>(東2)は、来週10日に2013年5月期決算の発表を予定しているが、この決算開示と今夏の旅行シーズン到来を先取り、大幅な割り負け修正余地を示唆している。過去最高純利益6億9800万円を計上した2006年5月期業績当時につけた2006年4月高値1537円から雌伏7年を経て、今夏の国内旅行が過去最高となることから、同社の固形燃料の回復による業績期待を高めるためで、2006年高値へキャッチアップ、5割高展開も意識されよう。
同社は、国内の日本旅館で朝食・夕食に供される鍋物の燃料として使用される固形燃料のトップメーカーで、このほか業務用の食器洗浄剤、漂白剤なども展開している。国内旅行は、「失われた20年」のデフレ景気や団体旅行の激減などで低迷してきたが、ここにきて円安メリットで外国人旅行客が拡大しているほか、日本人の国内旅行も、好調に推移している。JTBが発表した今夏(7月15日〜8月31日)の国内旅行(1泊以上)予想では、海外旅行が減少する一方で、国内旅行客は、前年同期比2.2%増の7624万人と過去最高になると見通されており、同社に関連特需が予想されることとなる。
同社の業績は、前2013年5月期の四半期業績が2ケタ増益転換ペースと好調に推移、今年3月に開示した第3四半期(3Q)業績は、期初予想の5月通期業績に対して高利益進捗率を示した。期初予想の通期純利益は、3億5000万円(前期比51%増)と大幅増益転換を予想したが、10日の決算発表で上ぶれ着地するか、さらに続く2014年5月期業績をどう予想するか注目されることになる。
株価は、3Q好決算で年初来高値1100円をつけ、前期期末に2円の創立50周年記念配当を実施したが、配当権利落ちと全般相場の急落が重なって年初来安値880円まで突っ込み、半値戻し水準までリバウンドした。前期業績の期初予想ベースでもPERは17倍台と割安であり、PBRも0.9倍と割り負けている。年初来高値は、2009年8月高値1090円を上抜く戻り高値であり、このフシ突破から2006年4月高値へのキャッチアップに騰勢を強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2013年07月05日