
同社は、金属専門商社だが、事業部門別の売り上げは、鉄鋼事業が、前3月期実績で売り上げ1802億円、営業利益18億円と全売り上げ・営業利益のそれぞれ7割弱を占める最大セグメントとなっており、同事業を左右するのがトラック業界向けの販売の好不調である。前期業績では、同事業は、トラック業界向けでは、大震災の復興需要、エコカー減税、アジア新興国の需要などを支えに好調に推移したが、建設機械向けの落ち込みが厳しく減収・営業減益となった。今期は、「アベノミクス」効果の景気押し上げ、復興需要やアジア新興国需要の継続を予想している。
このため今3月期業績は、前期末に計上した訴訟関連の損害賠償金支払いなどによる前期業績の下方修正、減益転換から売り上げ1630億円(前期比1%増)、営業利益26億1000万円(同0.1%増)、経常利益27億7000万円(同0.7%増)、純利益17億円(同1%増)と増益転換を予想している。同社の業績とトラック各社の業績への連動性は、遅行性があることは否めないが、今期後半には好波及が期待される。配当も、前期は業績下方修正で増配を見送ったが、今期は再度、20〜22.5円(前期実績20円)を予定、増配含みとなっている。
株価は、前期業績の下方修正・増配見送りで536円まで売られ、今期業績の増益転換予想で年初来高値648円をつけ、全般相場急落とともに同安値512円まで突っ込み、半値戻し水準でもみ合っている。PERは7倍台、PBRは0.4倍と割安であり、全値戻しから2008年10月以来の700円台の上値評価も期待できそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)
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