2020年夏季オリンピックの開催都市は、9月7日開催予定の国際オリピック委員会(IOC)総会で決定され、すでに東京招致に成功するとの期待感から建設株、不動産株などが関連株人気を高めているが、ALSOK(綜合警備保障)<2331>(東1)は、東京開催が決定された場合は、トリプル・メリット発生が予想されており、関連の割安株買いが増勢となる展開が想定され、待ち伏せ買い妙味を示唆している。
同社は、オリンピックを東京に招致する委員会のオフィシャルパートナーの一員を占めて開催の際の会場警備需要を享受すると期待されるほか、同社社員の吉田沙保里選手などが、女子レスリングの日本代表として金メダルを連続獲得するなど競技面でのつながりも強い。さらに7日のIOC総会では、オリンピック種目に追加される競技が決定される予定になっており、一度除外されたレスリングが復活決定されれば、吉田沙保里選手などを同社のテレビCMのキャラクターに使用している同社自体の露出度も高まり、IOCの決定で一度に三重のメリットが発生、株価を刺激する展開が想定される。
同社は、業績も好調に推移している。今3月期業績は続伸、純利益は、108億円(前期比26%増)と連続の2ケタ増益が予想されている。セキュリティ事業では、機械警備業務の機器販売が続伸し、常駐警備業務では、東京スカイツリータウンの大型施設警備や大規模マラソンの大型臨時警備などを多数受注し、今期から新たに立ち上げる個人向けブランド「HOME ALSOK」では、従来の「家を守る」ホームセキュリティから顧客のライフステージごとのニーズに合わせた「生活全般の安心・安全を守るセキュリティ」へサービスを進化させることも寄与する。
株価は、前期業績の上ぶれ着地・期末配当増配に今期業績の続伸予想も加わってストップ高して年初来高値2013円をつけ、全般相場急落の波及で1477円まで調整、半値戻し水準で値固めを続けてきた。PERは17倍台と割安であり、オリンピック東京招致が実現した場合は歓迎高で高値奪回へ急伸展開が予想されるが、最悪ケースの招致失敗の場合も、バリューエーション評価で一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2013年09月04日