アルバック<6728>(東1)は、上昇転換した25日移動平均線で下値を確認しつつ下値を切り上げているが、持ち前の急騰習性を発揮する場面の接近も予想され、値幅取り妙味を示唆している。急騰の手掛かり材料となるのは、今6月期純利益の4期ぶりの黒字転換予想で、今期から展開する中期経営計画の意欲的な業績目標数値もフォローしよう。
同社の今期業績は、売り上げ1800億円(前期比10%増)、経常利益70億円(同11%増)、純利益40億円(前期比38億700万円の赤字)と予想されている。売り上げは増収転換し、経常利益は、前期に黒字転換してその黒字幅を伸ばし、純利益は、2010年6月期以来の黒字転換となる。フラットパネルディスプレイ(FDP)業界で、大型液晶テレビ関連の設備投資が停滞し、半導体業界でもパソコン需要の減少で設備投資が低迷するなか、対応して前期に不採算製品・取引を見直し61億円の特別損失を計上するなどの事業構造改革を終了、次世代ディスプレイの有機EL関連の設備投資が動意付くなど一部回復の兆しがあり、半導体関連でもメモリ価格の底打ちで設備投資再開の動きがみられ、真空機器事業のFPD・PVD製造装置が、前期比17%増、半導体・電子部品製造装置が同35%増と伸びることなどを見込んでおり、純益黒字転換要因となる。
今期から推進する中期経営計画では、真空技術を核として付加価値を高める仕組みを再構築して、最終年度の2016年6月期の売り上げを2050億円(今期予想比13%増)、純利益を110億円(同2.7倍)と目標数値に掲げている。
株価は、前期第3四半期の黒字転換業績には窓を開けて急伸し年初来高値1335円まで4割高し、一転した前期業績の下方修正ではやはり窓を開けて735円まで急落、今期業績の続伸予想で窓を開けて965円をつけるなど急騰急落習性を発揮している。PER13倍台の割安修正による急騰習性の再発揮を待ち伏せて報われそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2013年09月06日