大真空<6962>(東1)は、前3月期業績の上ぶれ着地・期末配当の増配、今期業績の続伸・連続増配予想に東証と大証の第1部市場の統合が加わって年初来高値496円まで4割高の逆行高を演じた。その後、株価は材料出尽くし感からほぼ往って来いの調整となった。しかし、この2つの買い材料は、10月末に第2のヤマ場を迎えることになっており、株価の再離陸が見込まれる。割安修正へ待ち伏せ買い妙味を示唆している。
同社の業績は、前期業績が、昨年11月の下方修正値を今年2月に一転して上方修正、その上方修正値を上ぶれ、純利益が10億8800万円(前々期は2億4900万円の赤字)と大幅黒字転換した。主力製品の水晶デバイス製品が、スマートフォン、タブレットPC向けに好調に推移し、為替相場の急速な円安で9億9000万円もの為替差益を計上したことが要因となった。期末配当は、3円を4円に引き上げ、年間6円(前々期実績4円)に増配した。
今期業績も、スマホ向け続伸に加えて、カーエレクトロニクス分野で電装化需要が拡大することから続伸、純利益は、11億円(同1%増)と予想し、配当も8円の連続増配を予定している。今年8月に開示した今期第1四半期業績は、純利益が4億5600万円(前期比91%増)とV字回復して着地し、通期業績対比で41%の高利益進捗率と目安の25%を大きく上回り、前期業績と同様の上方修正期待を高めている。
もう一方の買い材料の東証・大証の統合は、統合により東証株価指数(TOPIX)に算入され、TOPIX連動型のファンドなどの買い需要が発生する好需給要因である。この算入は、8月末に第1回目が実施されたが、第2回目は10月末と予定されている。この時期は、同社の今期第2四半期業績の観測報道や実際の決算発表が迫ることが重なるもので、株価的にも第2のヤマ場となってくる。
株価は、年初来高値からほぼ往って来いの調整をしてTOPIXへの第1回目の算入先取りで429円までリバウンドしたが、材料出尽くし感から400円台出没の値固めを続けている。PER15倍台、PBR0.5倍の割安修正から再離陸は必至であり、高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2013年09月09日