菓子製造販売の寿スピリッツ<2222>(JQS、東2)の株価は戻り高値圏で堅調に推移している。出直り歩調に変化はなく、短期モミ合いから上放れが期待される。
「ラングドシャ」ブランドの寿製菓、「ルタオ」ブランドの北海道のケイシイシイ、東京で洋菓子を展開するシュクレイ、九州の九十九島グループなど、子会社で地域限定ブランドの菓子を製造・販売している。空港や駅など交通機関での出店・販売の比率が高いことも特徴であり、訪日外国人数の増加も追い風となる。
中期事業戦略として新ブランド・新商品・新店舗創り、新ビジネス開発、海外展開などを掲げ、新分野のジャパルシーは健康食品の「栃(とち)」と「藍(あい)」を販売し、ジュテックスは通販基幹業務システムサービスをASP方式で提供する。またケイシイシイは台湾・台北市に、カフェをアンテナショップとして出店する。
■今期2ケタ増益、最高益更新
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比5.3%増の217億50百万円、営業利益が同12.2%増の21億円、経常利益が同11.1%増の21億円、純利益が同12.2%増の11億70百万円としている。新規出店や新規事業の寄与、首都圏での洋菓子販売の強化、遷宮イベント開催の出雲や伊勢方面での販売強化、製造採算の改善などで過去最高益更新見込みだ。
通期予想に対する第1四半期(4月〜6月)の進捗率は、ケイシイシイの新規出店費用、ジャパルシーの新規事業関連費用、通信販売における広告宣伝費など先行投資負担で利益面がやや低水準だったが、寿製菓、ケイシイシイ、シュクレイ、九十九島グループなどの好調で売上は順調な水準である。第2四半期(7月〜9月)以降は先行投資負担の影響が薄れるため、通期計画の達成は可能だろう。
株価の動き(東2)を見ると、足元では戻り高値圏の1300円台からやや水準を切り下げた形だが、大きく下押すことなく1250円〜1270円近辺で堅調に推移している。9月9日には1281円まで上伸する場面があり、足元のモミ合い展開から上放れの動きを強めてきた。
9月9日の終値1279円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS683円47銭で算出)は1.9倍近辺である。
日足チャートで見ると、足元で戻りを押さえていた25日移動平均線を回復した。また週足チャートで見ると13週移動平均線を維持しており、出直り歩調に変化はない。指標面に割高感はなく、モミ合い上放れて3月高値1462円も視野に入るだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年09月10日
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