松井証券<8628>(東1)は、7月25日以来1カ月半ぶりに1000円台大台を回復、7月16日につけた戻り高値1036円を3円上抜いたことから、価格帯別売買高で真空地帯となっている1100〜1200円台を突き抜け年初来高値1325円に直行する値幅効果に弾みをつける展開も想定される。この引き金になるのは、証券株で唯一、中間配当の実施を発表したことによる中間配当の権利取りと、2020年オリンピックの東京開催決定を材料に株式市場が再活況化していることで、証券株で日経平均株価の構成銘柄の一角を占めていることもフォローし、昨年11月から今年4月までの大化け相場の再現思惑も高まろう。
証券株は、株式市況の変動で業績が影響されるとして、業績・配当予想とも未定として開示している。同社も、期初に今3月期業績・配当を未定としてきたが、今3月期第1四半期(1Q)決算を開示した今年7月に中間配当を20円として実施することを発表した。前期の年間配当が20円(前々期実績15円)であり、これを中間配当として実施するものであり、期末配当は、期初予想通りに未定としているが、連続増配は有力となる。
中間配当実施は、1Q業績が、前年同期比3.3倍増収、6.8倍経常増益、5.9倍純益増益と大幅続伸し、純利益58億200万円が、前期の年間純利益の90%を3カ月間で稼ぎ出したことが背景となっている。「アベトレード」効果で、1Qの株式委託売買代金が13兆3000億円と四半期ベースで過去最高を更新、市場シェア10%をキープしたことによる。
今期第2四半期累計・通期業績は、期初予想通りに未定としており、今後の株式市場の動向次第となるが、今年8月には来年1月にスタートする少額投資非課税制度(NISA)の株式取引手数料を恒久的に無料化することを発表しており、新規口座の開設増などが業績を押し上げることが見込まれる。
株価は、昨年11月安値から「アベノミクス」効果による株価上昇・売買高急増で年初来高値まで2.5倍の大化けを演じ、5月以降の株価急落で793円まで急落、いったん戻した1036円から超閑散相場を嫌って824円へ再調整、東京オリンピック開催決定で4ケタ台を回復した。早めの中間配当の権利取りからは入って、待ち伏せ買い妙味を示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2013年09月11日