電子商取引(EC)サイト「スーパーデリバリー」を運営するラクーン<3031>(東マ)の株価が出直り感を強めている。EC市場拡大が追い風であり、好業績を見直す動きだろう。
アパレル・雑貨分野の企業間電子商取引サイト「スーパーデリバリー」を運営するEC事業を主力として、締め支払い決済サービスの「Paid」サービス、売掛債権保証事業など周辺分野に事業領域を広げている。主力の「スーパーデリバリー」は質の高い会員小売店と出展企業を獲得したうえで、利便性の高いサービス提供などによって客単価や稼働率の向上に取り組んでいる。
今期(14年4月期)第1四半期(5月〜7月)の連結業績は、前年同期比3.5%増収、同14.9%営業増益、同16.6%経常増益、同9.9%最終減益だった。主力のEC事業は減価償却費の増加などで減益だったが、売上高は同2.4%増と堅調に推移した。売掛債権保証事業は営業強化などの効果で大幅増収増益だった。純利益は税負担正常化で減益だった。
■7月末で会員小売店数3万7570店舗
13年7月末時点の「スーパーデリバリー」会員小売店数は3万7570店舗(13年4月末比1030店舗増加)で、出展企業数は952社(同9社減少)、商材掲載数は38万3771点(同1万4052点増加)となった。
通期の見通しは前回予想を据え置いて、レンジ予想で売上高が103億円〜106億円(前期比5.2%増〜8.3%増)、営業利益が2億20百万円〜2億30百万円(同21.5%増〜27.1%増)、経常利益が2億10百万円〜2億20百万円(同19.3%増〜25.0%増)、純利益が1億25百万円〜1億35百万円(同6.0%減〜1.5%増)としている。純利益は税負担正常化で横ばい見込みだ。
株価の動き(5月1日付で1株を300株に株式分割)を見ると、9月9日に329円まで調整する場面があったが、6月27日の安値320円水準まで下押すことなく、足元では水準を切り上げる動きとなった。330円〜350円近辺で下値固めが完了したようだ。9月20日には395円まで上伸して出直り感を強めている。好業績を見直す動きだろう。
9月20日の終値394円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社レンジ予想の連結EPSの中間値23円86銭で算出)は16〜17倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS246円54銭で算出)は1.6倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に続いて75日移動平均線も一気に突破した。また週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線を突破した。下値固めが完了して強基調に転換した可能性があり、出直り展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年09月24日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ラクーンの週足チャート好転、二番底形成
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:41
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