クリエイティブ分野のエージェンシー事業を主力とするクリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)の株価は、子会社の不適切取引発覚を嫌気して急落したが、売りが一巡して出直り態勢のようだ。
クリエイティブ分野では映像・TV、ゲーム、Web、広告などの分野で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー事業、制作請負事業、電子書籍関連事業、アジア市場向け出版エージェンシー事業などを展開し、韓国のクリエイティブ分野、医療・IT・法曹・会計分野のエージェンシー事業にも領域を広げている。さらに新分野として建築関連やファッション関連のエージェンシー事業も展開する方針だ。
なお8月30日に、子会社リーディング・エッジ社において一部の取引先との不適切な取引および会計処理が行なわれていた疑いが発覚したと発表している。これに伴う損失額は精査中だが、未回収債権に関して約3億円の損失が発生する可能性があるとしている。
■今期営業利益は2ケタ増益、特損計上見通しも一過性
今期(14年2月期)連結業績見通しは売上高が前期比5.3%増の200億円で、営業利益が同14.7%増の12億円、経常利益が同10.2%増の12億円、純利益が同16.7%増の5億50百万円としている。テレビ番組制作やSNSゲーム開発など、プロフェッショナルに対するニーズは拡大基調であり、各事業ともに好調に推移する。
第1四半期(3月〜5月)は売上高、営業利益ともに過去最高となり、通期見通しに対する進捗率も売上高が24.9%、営業利益が32.8%、経常利益が32.9%、純利益が38.0%と高水準だった。子会社の不適切取引および会計処理の影響額は現時点で不明だが、営業利益については通期増額の可能性があるだろう。
株価の動き(3月1日付で株式100分割)を見ると、420円〜450円近辺のレンジでモミ合う展開だったが、不祥事を嫌気して9月2日に年初来安値となる354円まで急落した。ただし足元では400円近辺に戻している。9月24日には418円まで戻す場面があり、9月2日に空けた窓をほぼ埋める形になった。不祥事を嫌気した売りが一巡したようだ。
9月25日の終値399円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円55銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS173円48銭で算出)は2.3倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線を回復する動きを強めている。また週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、足元では下値を切り上げている。不祥事を嫌気した売りが一巡して出直り態勢だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年09月26日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クリーク・アンド・リバー社は大幅下げ後の反発抜群、早くも400円台回復
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:59
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