EC事業を展開するインフォマート<2492>(東マ)の株価は戻り高値圏から反落したが、短期調整一巡感も強めている。今期(13年12月期)好業績見通しを評価して5月の高値を試す流れに変化はなく、押し目買い好機だろう。
フード業界向けの企業間電子商取引(BtoBプラットフォーム)サービス事業を展開している。プラットフォーム「FOODS info Mart」の利用企業数は、13年6月末時点で12年12月末比1157社増加の3万2636社(売り手企業が同1092社増加の2万5867社、買い手企業が同65社増加の6769社)となり増加基調である。
中期成長に向けて「ASP受発注システム」などの利用拡大、次世代「BtoB&クラウド」プラットフォームや新サービスの開発、海外展開の本格化、美容業界向けや医療業界向けなど事業領域の拡大、データ連携でのアライアンス戦略などを推進している。5月にはJFEシステムズ<4832>と「ASP規格書システム」、6月には東芝テック<6588>と「ASP受発注システム」でデータ連携を開始し、9月3日にはオザックスと共同でフード業界の海外進出応援サイトを開設すると発表した。
今期連結業績見通しは売上高が前期比16.0%増の43億88百万円、営業利益が同22.3%増の9億97百万円、経常利益が同21.2%増の9億88百万円、純利益が同19.8%増の5億94百万円としている。次世代プラットフォームの償却負担が増加するが、利用企業数増加や利用拡大に伴ってシステム使用料収入が順調に増加する。
大幅営業増益だった第2四半期累計(1月〜6月)の通期見通しに対する進捗率は高水準だった。第3四半期(7月〜9月)にソフトウェア償却費を計上するが、「ASP受発注システム」「ASP受注・営業システム」の登録店舗数増加に伴ってシステム使用料収入は増加基調であり、通期増額の可能性があるだろう。
株価の動き(7月1日付で株式2分割)を見ると、戻り高値圏2300円台から反落して10月3日に2056円まで調整した。全般地合い悪化も影響して利益確定売りが優勢になったようだ。しかし、その後は下げ渋る動きで短期調整一巡感を強めている。
10月7日の終値2067円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS40円21銭で算出)は51倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想に株式分割を考慮した年間換算21円13銭で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS198円30銭で算出)は10倍近辺である。
週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。好業績見通しを評価して5月の高値2545円を試す流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年10月08日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォマートは高値更新狙う展開不変、大幅増益の今12月期を評価
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