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2013年10月08日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】寿スピリッツは調整の最終場面、モミ合いの下値水準到達

 菓子製造販売の寿スピリッツ<2222>(東2)の株価は、全般に地合いが悪化する中でも、戻り高値圏で堅調に推移している。出直り歩調に変化はなく、モミ合い煮詰まり感を強めて上放れが期待される。

 子会社に「ラングドシャ」ブランドなどを展開する山陰地区の寿製菓、「ルタオ」ブランドなどを展開する北海道のケイシイシイ、首都圏で洋菓子を多ブランド展開するシュクレイ、「赤い風船」ブランドなどを展開する九州の九十九島グループなどを擁し、地域限定ブランドの菓子を製造・販売している。空港や駅など交通機関の施設に立地した出店・販売の比率が高いことも特徴であり、訪日外国人など観光客の増加も追い風となる。

 中期事業戦略として新ブランド・新商品・新店舗創り、新ビジネス開発、海外展開などを掲げている。新分野のジャパルシーは健康食品の「栃(とち)」と「藍(あい)」を販売し、ジュテックスは通販基幹業務システムサービスをASP方式で提供する。またケイシイシイは台湾・台北市にカフェをアンテナショップとして出店する。

 今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比5.3%増の217億50百万円、営業利益が同12.2%増の21億円、経常利益が同11.1%増の21億円、純利益が同12.2%増の11億70百万円としている。新規出店や新規事業の寄与、首都圏での洋菓子販売の強化、遷宮イベント開催の出雲や伊勢方面での販売強化、製造採算の改善などで最高益更新の見込みだ。

 通期見通しに対する第1四半期(4月〜6月)の進捗率は、先行投資負担で利益面がやや低水準だったが、ケイシイシイやシュクレイなど主要子会社の好調で売上は順調な水準であり、第2四半期(7月〜9月)以降は先行投資負担の影響が薄れるため好業績が期待される。

 株価の動きを見ると、8月以降は戻り高値圏1250円〜1300円近辺の狭いレンジでモミ合う展開だが、足元で全般地合いが悪化する中でも大きく下押すことなく堅調に推移している。好業績を評価する動きだろう。

 10月7日の終値1270円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS683円47銭で算出)は1.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を維持しており、出直り歩調に変化はないだろう。指標面に割高感はなくモミ合い煮詰まり感も強めており、上放れの展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:11 | アナリスト水田雅展の銘柄分析