大手居酒屋チェーンのチムニー<3178>(東2)の株価は水準を切り上げて5月の高値に接近している。全般地合い悪化の中でも堅調な動きだ。株主優待制度を現金換算した総合利回りにも依然として見直し余地があり、上値を試す流れだろう。
業界5位規模の大手居酒屋チェーンである。飲食事業では主力の居酒屋業態「はなの舞」「さかなや道場」などを直営とFCで展開し、軍鶏(しゃも)をメインとする新業態「龍馬軍鶏農場」の出店も強化している。コントラクト事業は居酒屋事業で培った店舗運営ノウハウを活用して、官公庁施設などで受託食堂を展開している。
さらにM&Aも積極活用しながら、漁業などの一次産業、食材加工などの二次産業、店舗で商品を提供する三次産業まで一括して管理する「飲食業の六次産業化」に向けた取り組みを強化する方針だ。
今期(13年12月期)業績(非連結)見通しは売上高が前期比6.7%増の448億20百万円、営業利益が同7.0%増の35億20百万円、経常利益が同4.3%増の34億40百万円、純利益が同20.8%増の15億26百万円としている。第2四半期累計(1月〜6月)は既存店売上高がやや低調で、人員増などの先行投資負担も利益圧迫要因だったが、通期ベースでは新規出店効果などで好業績が期待される。
株価の動きを見ると、950円近辺の短期モミ合い展開から上放れ、水準を切り上げる動きを鮮明にしている。9月19日には6月19日以来の1000円台を回復し、さらに10月2日には1015円、10月8日には1021円まで上伸した。全般地合い悪化の状況だが、好業績見通しを評価して堅調な動きであり、5月13日に付けた上場来高値1031円に接近している。
10月9日の終値1006円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS78円91銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績のBPS558円26銭で算出)は1.8倍近辺である。
週足チャートで見ると、戻りを押さえていた13週移動平均線を突破して上伸している。また日足チャートで見ると、25日移動平均線がサポートラインとなったようだ。強基調を確認した形だろう。今期好業績見通しに加えて、株主優待制度を現金換算した総合利回りの高さに依然として見直し余地があり、上値を試す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
>>チムニーのMedia−IR企業情報
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!
2013年10月09日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】チムニーは上場来高値に急接近、指標割安で一段高へ
【アナリスト水田雅展の銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:27
| アナリスト水田雅展の銘柄分析